マブラヴ
1017話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
視線の先にあるのは、この前のオペレーション・ルシファーで攻略したハイヴの1つ、重慶ハイヴ。
中国にあるこのハイヴを攻略したのは、当然中国を保護国としている日本だ。
……まぁ、日本だけではなく、国連軍の方でも幾らか戦力を出したみたいだが、それでも主戦力が日本……帝国軍であるのは変わらない。
まぁ、国連軍は大東亜連合と共にウランバートルハイヴの方に戦力を集中していたしな。
「へぇ、中々に工事が進んでいるな」
「そうでしょう? 帝国軍と斯衛が協力してるからこその光景です。……まぁ、こういう光景が見られるのは現場だけなのですが」
俺の隣で笑みを浮かべていた恭子だったが、次の瞬間には憂鬱そうな溜息を吐く。
現場だけとなると、つまりは上の方……城内省か。
確かにあっちは色々と無駄に気位が高いせいで、帝国軍を見下している節すらあるって話だったな。それを思えば、確かに恭子がこんな表情を浮かべてもしょうがないか。
「まぁ、そっちは五摂家の方で何とかするしかないだろうな。それより、肝心の件はどうなっている?」
周囲に聞こえないように声を潜め、恭子の耳元に囁く。
その瞬間、顔を薄らと赤く染めた恭子だったが、これは別に俺に対してどうこうって訳じゃなくて、単純に男慣れしていないからだろう。
五摂家の人間としては色々と奔放な性格をしている恭子だが、それでも武家のお嬢様である事には変わりない。こうして男をすぐ近くまで寄せ付けた事は殆どない筈だ。
「え、ええ。密かに調査させましたが、恭順派の疑いがある者が数名程います。難民解放戦線の方も同じく」
「……やっぱりか」
アンバール基地を襲撃した際にも、当然だが内部から手引きしている者がいたと予想されている。そうでなければ、幾ら何でもあんなにあっさりと基地の占拠を許す筈がなかった。
それを心配して、ハイヴを有している国の中で最も親密に付き合っている国の日本へと密かに調査するように頼んだんだが……ここまで当たりとはな。
ちなみに、ハイヴを有している国の中で最も親しい国が日本であって、純粋に最も親しい国となると、やはりオーストラリアとなる。
「ええ。数名程度で済んだのは、日本の文化故でしょうね」
「文化? ……ああ、なるほど。恭順派の大本はキリスト教だったな」
勿論日本にもキリスト教徒はいるだろう。だが、日本は基本的に宗教に関してはチャランポランというか、適当というか、柔軟というか。
ともあれ、そんな状態だ。
何しろ、唯一神教のキリスト教に対して、日本は八百万の神々がいるって教えもあるし。
クリスマスが済んで1週間程度で大晦日を迎え、新年には初詣へと出向く。それ以外にもハロウィン、バレンタイン、お盆といった具合だったり、結婚式は教会でやるの
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ