天狼樹
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ああなっていたかもな。
『もう大丈夫だ。行ってこい』
「うん!!ありがとう!!ヴァッサボーネ!!」
力をもらった俺は、海面に向かって泳いでいく。俺が顔をあげた場所は、天狼島の砂浜のような場所だった。俺が落ちた崖は、かなり離れた位置にある。
「あそこに戻ってウェンディを助けないと・・・うっ!」
俺は走り出そうとしたが、頭から血を流してしまったせいか、すぐにうずくまってしまう。
ザバァンッ
俺が目指そうとしていた崖から何かが海の中に飛び込んだ。なんだあれ?
俺は確認しようと立ち上がろうとしたが、靴が片方どこかに行ってしまっていたせいでバランスを失い、フラフラしてすぐに倒れてしまう。
「せっかく水を飲んだのに・・・キズまでは回復できなかった・・・」
俺は次第に意識が薄れ、眠ってしまった。
「おいシリル!!」
「大丈夫かよベイビー!!」
遠くから、フリードさんとビッグスローさんの声が聞こえてくる。
「完全に頭を撃ち抜かれてる。こりゃあ・・・」
ギルダーツさんもいるのかな?3人の声が、俺の頭の中に響いてくる。
「おい!!しっかりしろ!!」
「死ぬんじゃねぇ!!起きろベイビー!!」
二人が体を揺すってくる。かなり眠れたおかげで、体に力が戻ってきた。
「死ぬな!!起きろ!!」
「起きました」
「「「どわああああああ!!」」」
俺が上体を起こすと3人は顔を真っ青にして驚いている。起きろっていうから起きたのに・・・
「バカ野郎!!なんで目覚めてんだよ!!」
「化けて出るなよ!!」
「今すぐにあの世に帰れる術式を書いてやる!!」
ギルダーツさんもビッグスローさんもフリードさんも完全に死んだと思ってたんじゃないですか・・・てかフリードさんマジで術式書き始めてるし・・・
「あ・・・あの・・・」
「心配するな。すぐに書き終わる」
「いや、俺死んでないんですけど」
俺がそう言うと3人はキョトンとする。確かに頭に穴空いてたら死んだと思いますよね。俺も死んだと思ったし・・・てかなんで俺生きてるんだ?
俺はフリードさんたちにとりあえず簡単な治療をしてもらい、頭に包帯を巻いてもらった。
「一体何があった?」
「悪魔の心臓が攻めてきたんです!!」
俺はギルダーツさんたちに何があったのかを説明した。
ギルダーツさんたちはギルドに戻る途中、エルザさんの上げた信号弾に気づいて戻ってきてくれたらしい。
「今は簡易ベースに戻ろう」
「そうだな」
フリードさんとビッグスローさんが簡易ベースに向かって歩こうとした。だが、
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