天狼樹
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「こいつがギルダーツ!?」
ブルーノートが自分の前に現れたギルダーツを睨む。
「おめぇ・・・生きてやがったのか・・・」
カミューニも目の前のシリルを睨み付ける。
「シリル・・・どうやって・・・」
ウェンディは死んだと思っていたシリルが目の前にいることに驚きながらも笑っている。
「う〜んと・・・」
シリルはウェンディの問いに頭を抱える。シリルがここまで来れた理由は・・・
シリルside
俺は頭を撃ち抜かれたせいで完全に死んだと思ってた。海に落ちた時、このまま死んでしまうだろうと思っていた。
『シリル・・・』
そんな時、誰かの声が聞こえた・・・聞き覚えのある懐かしい声・・・
「ヴァッサボーネ?」
俺の父であるヴァッサボーネの声が聞こえたのだった。
「どこ?どこにいるの?」
俺は辺りを見回すが、どこにもヴァッサボーネの姿は見当たらない。
『シリル。ウェンディが待っているぞ。早く起きなさい』
俺はそこで思った。俺は死んでしまったせいでヴァッサボーネの声が聞こえているんじゃないのかと・・・つまり、幻聴なのかもしれないと・・・だが、久しぶりに聞いた父の声に俺は答えないわけがなかった。
「無理だよ・・・俺は死んじまったんだろ?ウェンディの元に行くことなんて・・・」
きっと俺はあの世に行く途中なんだろう・・・天国か地獄から知らないけど・・・
『何を言っている。お前はまだ生きている』
「え?」
『動くだろ?体が』
言われて気づくが、俺は手を開けたり閉じたりしてみる。確かに、体が動く。これが夢なのか現実なのか、よくわからないが・・・
『さぁ、早くいきなさい。みんなの元に・・・』
俺は上に上がろうとしたが、体がカミューニの攻撃を大量に受けたせいでうまく動かなかった。
「体が・・・動かない・・・」
やっぱり、ダメなのかな・・・
『何を言っている。ここはどこだ?』
「海の中・・・」
『そうだ。そして、お前は私の子・・・水で覆われた海で、お前が力を発揮できないわけがない』
そうだ・・・俺は水の滅竜魔導士だ。ここは・・・俺の絶対領域!!
俺は海の水を体一杯に吸い込む。かなりしょっぱいけど、次第に俺の体に力が満ちてくる。
ゴツンッ
「いてぇ!!」
俺の頭に何か魚がぶつかる。俺が水を吸い込んだせいで、周辺の魚がよってきたみたいだ。
その俺の頭にぶつかった魚は、サメに追いかけられていたようで、すぐにたくさんのサメに囲まれてしまう。
もしかしたら、あと一歩で俺が
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