1〜2期/啓編
K10 覚醒、デュランダル
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こんなにも他者に興味を持つのは何年ぶり――否、何百年ぶりであろうか。
頭上に展開したバリアコーティングのパープルライトが、女の顔を妖しく照らしていた。
立花弟が立花姉に抱きついた瞬間、凄まじい光量と熱量が迸って、私も前後不覚になってしまった。
眩しくて何も見えなかった。あの姉弟はどうなった。ネフシュタンの鎧の少女は。
起き上がり、見回せば、工場地帯は壊れてはいるが、思ったよりマシというレベルだった。
「気づいたか、翼」
「おじさま……い、いえ、司令。状況はどうなったのです?」
弦十郎おじさまは親指で後ろを指差した。――立花姉弟!
立ち上がろうとして、また崩れ落ちた。思ったよりあれはダメージだったらしい。
「俺こそ情報が欲しい。翼。デュランダルは一度覚醒した。なのにこの程度の被害ですんだ。その理由に心当たりはないか?」
「心当たり……強いて言えば、デュランダルを揮おうとした立花響に立花啓が飛びついて――すみません。その後は、私にもはっきりとは」
「まあ、軽度で済んだとはいえ、破壊行為は確かに行われたんだ。デュランダル護送は一時中止。撤退だ。ご苦労だった、翼」
「いえ……」
あの時、何が起きたのか。眩しさと煙で見えなかったが、確かめられるものなら確かめたい。
だが今は、あの姉弟をメディカルチェックに放り込むほうが先だ。
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