第八話 さいかい
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ね」
「ちょいと不思議なもんで」
「君は初めてゲームを欲しがった時、なにを思ったかな?」
「なにがそんなに面白い?」
「人となり、それに実力かな」
「あんたも変わりもんだな、ヒースクリフ」
「君に言われたくはない」
「だろうな」
二人してニヤリと笑みを浮かべる。
はたから聞いていれば全く訳のわからない会話ではあるが、彼らの中ではキチンと会話が成立していた。
そしてこの後、何気ない談笑をしながら、行けるとこまで行って迷宮区から出たのだった。
二十四層の転移門前の一角、ザワザワと野次馬らしき者たちが群がっていた。
野次馬たちは《攻略組》と呼ばれているメンツと観光に来たプレイヤーたちが混ざっている。
その両者たちの目線の先にあったのは異様な光景だった。
「ねえ聞いてるのリュウヤさん!」
「はいはい聞いてますー。つか、さん付けヤメテ。気持ち悪いわ」
「絶対聞いてないでしょ!それと、そのことについては善処しますっ」
「なんで逆ギレされてんのん?」
「君が話を聞かないからだろう」
「それ、俺に言う?あんたも怒られてんのよ?」
「だからこうして素直に怒られているではないか。しかし、年端もゆかぬ女性に叱られる日が来るとは夢にも思わなかったよ」
「あ〜、確かになぁ。これはこれで貴重な経験かもな」
「「ハッハッハ」」
「は・な・し・を・き・けっ!」
「「すみませんでした」」
大の大人が子どもに怒られて土下座しているという極めて異様なこの光景に誰もが色んな意味で戦慄していた。
当然といえば当然だ。土下座しているのがリュウヤとヒースクリフ。土下座させているのがアスナだ。
こりゃ明日の一面は『大人にひれ伏されるプレイヤー現る』で決まりだな、とリュウヤは密かに思っていたりした。
ではなぜアスナがこんなに怒っているのかと言うとーーー
「なんで突入初日でボス部屋にまで行くのよ!」
行けるとこまで行ったらついちゃったんだ☆
などと言えるはずもなく、リュウヤは素直に謝った。
「申し開きもございません」
「それにヒースクリフさんも、なんでこの人止めなかったんですか」
「止めるもなにも、気づいたら目の前まで来てしまっていてね。さすがに私も驚いたよ」
「いや〜、ヒースとやんのが超ラクでよぉ。どんどん進んでったらあらびっくり。ボス部屋の前じゃないですかぁ。これなんて手品ーーーごめんなさいごめんなさい許してください悪気はないんですだからそのレイピアしまってーーーッ!?」
軽い口調で喋っていたらアスナのレイピアが飛んできたが、事実ヒースクリフと共闘するのは本当に楽だった。
かたや
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