暁 〜小説投稿サイト〜
オラリオは今日も平和です
僕の出張日記2
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 %月?日 雨は雨でも大きい雨はなんだ?―大雨

 
 今日こそ”土竜族”の住む地下都市へ行こうと、朝起きてからすぐに出発をした。
 昨日5時間ほど降りたにもかかわらず、未だに途切れることが無さそうな階段。どこまで深く掘ってるんだよ”土竜族”。

 そこからさらに1時間ほど歩いた頃だろうか?ようやくかなり開けた場所についた。
 明かりは魔石灯なのだろう。ほんのりと明るい部屋は、何処か寂しげだった。

 しかし、いつまでも止まっているわけにはいかないので、再び広い部屋を歩き始める。すると、ローブを纏った男の人を見つけた。
 おお、まさか僕と同じようにあそこから入った人なのか!?と、少し嬉しくなってしまい、初対面にもかかわらず、馴れ馴れしい態度で挨拶をしてしまった。

 向こうもいきなり話しかけられるとは思ってなかったのか、僕が話しかけると、バッとこちらに振り向いて、殺気を放ってくる。いや、殺気まで向けなくてもいいじゃん。なんで皆して僕に殺気をむけるんだよ…………。て言うか、最近殺気を浴びすぎな気がするんですけど僕。

 しかし、僕の顔は相変わらずニコニコ。うん、突っ込むのも疲れた。

 僕が話しかけた人物は、やたらと此方を警戒しながら「何者だ?」と尋ねてきたので、「貴方と同じです」と同じ道から入ってきたことを伝える。
 僕がそう言うと、向こうは何故か慌てた様子で「嘘を吐くなっ!」と怒鳴ってきた。思わず、内心でビクッと肩を震わせるが、ここは一刻も早く仲間がほしいため、「嘘ではありません。正真正銘貴方と同じです」と言ったところ、少しは警戒を解いてくれたようだった。

 だが、完全に警戒が解けたわけでもないようで、その後もいくつか質問をされた。途中で「お前も『彼女』に選ばれたのか?」と尋ねられたのだが…………もしかしてこの人の主神のことだろうか?
 でもまあ、僕はギルドの職員だし、【神の恩恵】を受け取っているわけではないので、「少し違います。僕は力を授かってません」と答えたところ、酷く驚いていた。え、驚く要素ありました?

 と、そこまで考えて、彼がオラリオの住人でないことに気付き、『そうか、ギルドの存在を知らないんだな』と内心で自己完結した。
 そして此処まで話すと、向こうも警戒は完全に解いてくれたようで、しばらくの間、世間話のようなものをしていた。

 彼(名前を聞くのを忘れてしまった)はとある場所へ向かっているようなので、僕もついていく。少なくとも彼は僕よりも道を知っているようだし、彼の目的を終えた後に都市に案内してもらおう、と考えたのだ。

 道中では、また彼による質問タイムが再会された。

 と言っても、「その左手の包帯はどうした?」とか、「なんでそんな格好をしているんだ?」とか簡単な質問だったが。
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ