ハーフエルフの日記2
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どぐしゃぐしゃな顔のまま、先輩の名前を叫んだ。だけど、今度こそ意識を失った先輩は顔をあげることはなく、沈黙したままだった。
新種のモンスターはフラフラの状態で、触手を一本、先輩に向ける。
そして、止めを刺そうする触手は、一切の容赦なく、先輩に向かっていき………………先輩に当たる寸前で灰となった。
見れば、モンスターの喉元に【ロキ・ファミリア】のガレス氏が拳を入れて、すでに壊れかけていた魔石を完全に破壊していた。
ガレス氏に感謝の言葉を述べる前に、私とミイシャは先輩の下へ駆け寄った。
必死にアレン先輩の名前を叫ぶが、勿論返答はなかった。泣きながら必死に叫んでいると、ガレス氏が”高等回復薬”をビンのまま十本ほど持ってきて、お腹の傷口にかけながら、木材の破片を引き抜いた。
流石に”高等回復薬”なだけあって、傷はすぐに塞がったが、先輩の意識は戻らない。しかし息はまだあるようなので、急いでギルドの本部に連れて行き、細かい処置をする、とガレス氏は言って、先輩を担いだままギルドへと連れていってくれた。
その後、ギルドについてから、色々と専門的な処置が施され、先輩は何とか一命を取りとめ、傷もある程度は残ったが、ほとんど分からないような跡になった。
先輩………あまり心配させないでくださいね?
&月□日 晴れ
今日ギルドに行くと、【ロキ・ファミリア】の面々が勢ぞろいしていた。なんでも、昨日の新種について詳しい話をするらしい。
しかし肝心の先輩は、有給を取って休んでいた。確かに昨日の今日で疲れやその他モロモロのものがあるのはわかっているけど、私たちに心配をさせといて、翌日に何もないとはどういうことだ、ということで、先輩の自宅を訪れ、ベッドに横になっていた先輩をギルドへと引きずっていった。
そしてギルド長の部屋で、昨日の事件について話が進められたが、先輩は必死に逃げていただけ、とか、自分はただのギルド職員で強くはない、とニコニコした顔で言っていた。
いつまでもニコニコしている先輩に痺れを切らしたのか、ローガ氏が先輩の胸倉を掴み上げ、「その顔ムカつくんだよ!」と怒鳴り上げた。
他の【ロキ・ファミリア】の面々は、やれやれといった感じに溜息をついているが、直後紡がれた先輩の言葉に、皆が一斉に固まった。
たった一言。先輩が「ムカついているのは僕もなんですよ」と、ローガ氏とは比べ物にはならない殺気と共に言ったのだ。
リヴェリア様たちは瞳を限界まで見開き、私とウィリディス氏に関しては、恐怖で震え上がっているのを他所に、先輩は言葉を続けていく。
「貴方がムカついている?ええそうですか、確かにムカついているでしょうね。でも私のほうがい
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