1期/ケイ編
K8 終わりの名を持つ者
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ケイはレーザーサーベルを握ってクリスへと駆けた。
「汚ねえ大人が、あたしに近づくんじゃねえええええッ!!」
クリスが両手のガトリングを再び撃ち放った。
ケイはとっさにその場に這いつくばり、弾丸を避けた。だが、ケイが立ち上がりまた走り出そうとするより早く、クリスは腰のパーツからミサイルを出し、発射した。
レーザーサーベルで誘爆させようと身構えたケイの――目の前に、巨大な壁が落ちて来て立ち塞がった。
「盾?」
「――剣だ!」
この声は。
ケイも、そして響も、そそり立つ巨人の盾のような剣の一番上を見上げた。そこに立つのは、やはり、風鳴翼だった。
「風鳴……」
「安心しろ、小日向。お前の妹はすでに保護してある。だから――小日向、そして立花。力を貸してほしい」
「っ、はい!」
オイシイとこ持ってきやがって、と頭では思いながらも、口元には笑みが浮かんだ。
ケイはレーザーサーベルを解除し、再びレーザー砲へと戻した。
「死に体でお寝んねと聞いていたが、足手まといを庇いに現れたか?」
「もう何も、失うものかと決めたのだ」
クリスが両腕のガトリングを発射した。しかし、翼に慌てる様子は欠片もなく、巨大な剣の上から飛び降りた。
ほんの少しジャンプの軌道をバーニアで変えるだけ。それだけで翼はガトリング斉射を避けて着地してみせたのだ。
着地してからも違う。刀を揮う音の鋭さは見ているこちらが斬られた気がするほどだ。
動き、攻め、避け――全てが無駄なく流麗。
(何だよ。力を貸せなんて言っといて、フォローする暇もくれねえじゃねえか)
翼が突きつけた刃から逃れ、クリスが再び両手のガトリング砲を構えた――その時だった。
空からネジ型ノイズが飛来し、クリスのガトリングを刺し壊した。
それだけに留まらず、3体目のネジ型ノイズがクリス自身を狙っている。
ケイはとっさにレーザー砲を撃ったが、外した。ノイズの落下速度のほうが上回った。2射目のチャージも間に合わない。小日向ケイでは雪音クリスを救えない。
早かりし後悔に囚われたケイの横を、オレンジの影が走り抜けた。
「立花!」
「立花ちゃん!」
ネジ型ノイズに体当たりし、クリスを庇った響を、そばにいたクリスが受け止めた。
「お前何やってんだよ!」
「ごめん…クリスちゃんに当たりそうだったから、つい…」
朦朧としながらも告げた理由に、ケイは改めて思わされる。
――そうだ、立花響はこういう女の子だった。他人のためなら我が身を省みない、見ていて空恐ろしくなる子。
「〜〜っ馬鹿にして! 余計なお節介だ!」
翼が刀を構えて隙なく周辺を見回す。ケイは翼に倣い、プリズムレーザー
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ