1部分:第一章
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ある」
「聞きたいことですか」
「そうじゃ」
己の前に控えるその彼に対しての言葉である。
「そなたは長い間美濃や都の辺りを回りその地に実に詳しいが」
「はい」
「山中の物乞いのことじゃが」
信長が彼に問うのはこのことだった。
「あの物乞いは何なのじゃ?」
「あの物乞いですか」
「知っておるのか」
「はい、存じております」
控えながらも落ち着いた鋭利な声で応える光秀であった。その目の光もまた実に鋭い。
「あの物乞いの先祖は罪を犯したのでございます」
「罪というと?」
「あの山中で常盤御前を殺めたのです」
そうしたというのである。
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