二度目の急展開
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々居座っているのだ。
戦争時で例えるなら、敵国の人間がVIP待遇で部屋に招かれ、緊張の欠片も無く好物を口にしているようなもので、これに驚かない方が寧ろおかしいと言える。
これだけでも充分であるにも拘らず、クラーケギルディは再三、背筋と脳裏に戦慄が走る感覚を味わう事となる。
どうやらインストールは完了した模様で、クリックして起動させOPを飛ばすこと無く眺め、ものも言わずにそのまま不規則なリズムで左クリックを繰り返して、音声付きの台詞を飛ばすこと無く読み進めていく。
まさか……!? と、何かを予感したクラーケギルディの背筋に冷や汗が流れる事と、そのシチュエーションが訪れるのは同時だった。
『ひゃうぅっ!? エ、エッチィッ!』
「……ふっ」
(で、できる! 此の娘子、やはり只者ではない!?)
ゲームをプレイしている途中に二ヤけることは、例えその手のゲームで無くとも有り得るだろう。
しかし、バトル系で中々に展開がうまくいったり、ギャグ系で覚えのあるやり取りが流れたりして、頬が自然と緩むのならばともかく、今プレイしているのはエロゲーであり、しかも目の前に居るのは見ず知らずの他人。
この状況で堂々とプレイするだけでなく、表情を歪める事すらいとわない……その傍迷惑な―――じゃ無く大物ともいえる胆力は、クラーケギルディが三度目の共学に加え、戦慄を覚えるのも仕方が無いと言えた。
只者では無いこの少女が、今までアルティメギルの上部に位置していたのも、彼は納得していた。
やがてプレイする手を一旦止め、ようやく本題に入るのか、ダークグラスパーは口を開く。
「まず聞こう。リヴァイアギルディが行方知れずとは、誠か?」
「はっ。何者かに襲撃された事は確かですが、それ以上は此方も調査中です」
「ふむ……」
そこで会話は途切れ、ダークグラスパーは顔を下げて沈黙を保つ。次の言葉を待つ者と、言葉を紡ぐため黙る者の間に、人の世でもそうは訪れない静寂が走る。
「単刀直入に言おう。妾がここに来たのは、しばらく滞在する為じゃ……『美の四心』もつれてな」
「なんと……!」
「属性力の奪取が捗っていない事もあるが、不確定要素がこの世界には多い。だからこそと言う訳だ」
不確定要素……当初こそ、文明はまだまだ発展途上にもかかわらず、属性力は他のどの世界と比べても格段に高い、まさに最高の“餌場”としていた世界だった。
が、今ではその不確定要素である『グラトニー』やら『此方に属さない謎のエレメリアン』やらが割り込み、戦力のみ減らされる状態となっている。
テイルレッド率いるツインテイルズも侮れぬ実力者で、この世界に生半可な増援を投入しても、状況が
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