暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
二度目の急展開
[9/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、その左右には色とりどりのカラフルな箱状の物体が、それこそ夥しい数ずらりと並んでいる。


 この、オブジェとなるほどに並べられた箱の正体を探ろうと目を凝らし……クラーケギルディの目が見開かれた。


(間違いない……! これは全てギャルゲー、エロゲーの山か!)


 そりゃ目を見張るだろう。何せ、部屋いっぱいのエロゲーの山なのだから。

 一般の人ならば悲鳴を上げるか呑みこむか、無表情へ突入に回れ右は必至。

 というか、オブジェになってしまうぐらいのエロゲーを、どうやって買いあさったのか、そしてこれ全部プレイ出来ているのか、甚だ疑問である。


 しかしながら、クラーケギルディが覚えているのは感嘆と畏怖だった。……否、実際にそれを覚えたのは、その後だった。

 予兆も無く箱の中から一つが動き、ダークグラスパーの下へと飛んでいく。箱の中からディスクを取り出すと、パソコンに投入し読み込ませ始める。


「最近はインターネットから直接インストールするタイプのゲームも増えたが……(わらわ)は未だにこのソフトウェアからのインストールの方が、良いと考えておる」
「如何様の理由で?」
「入れる時の所作、パソコン内から聞こえる音、画面に表示されるウィンドウ、そのすべてが、まるで戦前に兜の緒を締める武士の気持ちにさせてくれるのだ」
「……なるほど」


 クラーケギルディこそ納得したかのように頷いたが、普通に人にしてみれば何をいっとるのやらである。
まあ、勿論そう感じる人もいるであろうが、それにしたって口に出して言う事でも無い。

 そしてこの会話から、クラーケギルディは相手の力量と、そして声音から女であることを見抜いた。

 女性型エレメリアンも居るには居るので、珍しくは無いと装いながらも、はたしてどのような姿をしているのかと覗き込み―――再び目を見開く事となる。


(な、に……!? 人間!? 人間の少女ではないか!?)


 そこに座っていたのは女性型エレメリアンでも、少年の声を持つエレメリアンでも無く、眼鏡をかけた『人間』の少女だったのだから。

 高いエレメーラを持っている事はクラーケギルディにも分かっており、だとしても首領直属の部隊に何故人間が配属され、彼らへ恨みを抱いても仕方ないうえ「アルティメギルが狩るべき」人間が与しているのかと、さしもの彼でも驚愕を隠せない。

 ヒーローに仕立て上げられた人間、もしくはとりわけ属精力の高かった人間が、世界が滅ぼされる直前に媚を売って仲間となったか、それ位しかクラーケギルディに思いつく可能性は無かった。

 勿論、首領直属の戦士なのだから、必ずしも媚を売った訳では無かろうが、それにしたって本来なら、此方と敵対すべき人間が基地内の堂
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ