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寄生捕喰者とツインテール
二度目の急展開
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瞳を元の位置へ戻した時には―――



「Es PAP」



 炎碗のエレメリアンは、既にその場に帰還してしまっていた。


「ば、馬鹿なぁっ!? わ、わ、妾の『カオシック・インフィニット』をこうも容易く!?」


 闇へと捕らわれてから一分もたっていない事を考えると、余りに理不尽な速度で打ち破ったと言わざるを得ない。

 髑髏を模したガーネットで作られし仮面の奥、此方へ向けられる眼光は何時になく冷やかで、即ち彼がダークグラスパーを障害にも思っていないか……或いは彼にとっては実に下らない、小細工にも等しい行為で怒らせたか。


 どちらにせよ、ダークグラスパーにとっては、非常に好ましくない感情だ。

 そしてどのような感情を彼が抱いて居れども、彼女に振り莉刈る暴力がやむ事が無いのは、確実と言える。

 そして彼女は直感していた……自分の攻撃用の必殺技を叩きこんでも、向こうはまだまだ余力もあるし切り札がある事も捨てきれない。
 つまり、意味が無いのだと。


 両側から迫るガーネット色の “何か” の高熱にさらされ、正に絶体絶命だった。


「ぐくぅっ……これを、此処で使う事となるとはぁっ……」


 かくなる上は最終手段だと、前時代的な形をしたスイッチを取り出し、突進してきた黒肌の男へ、その先端を向ける。

 そのまま、スイッチを押すと、彼の後ろへ七色に輝く光の輪が出現した。


「閉じ込められずとも! 別の場所へ放り出すならば主とて逆らえんじゃろうっ! 今すぐ出て行くが良いわあぁっ!!」
「Hmm……」


 目を細めて何かボソボソと口にしたのを最後に、炎碗黒肌のエレメリアンは輪に吸い込まれ消えていき、今度こそ部屋は静寂に包まれた。

 ダークグラスパーが手にしているその装置は作動が一回きりで有り、メンテナンスや属性力補充などに時間がかかる上、相手の属性力によっては聞かない事もある厄介な代物。
 しかも使う場所は、この基地の様な次元の狭間で無くてはならないという、もっぱら侵入者撃退用アイテムなのだ。

 今回はむしろ実力が高すぎたお陰で、油断を突いたおかげで何とか追い出す事が出来た模様。


「情けない切り札を使う事となるとはっ……じゃがそうなると、グラトニーとやらも彼奴並みの戦闘力を持っている事となる……厄介な世界にきてしもうたわ……っ!」


 追い出した先がどことも知れぬまま、ダークグラスパーは一息つく。そしてもう何もない事を機敏な動きで確認した後、ノートパソコンの前まで歩み寄るのだが……


「ぬ、ぬううぅ……やっぱり先程の熱波で壊れているっ……ゆるせぬうっ! 許せぬが手が出せないとは何たるもどかしさあっ!!」


 机をバンバン
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