二度目の急展開
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手をなきがごと……っ!?」
「ぬうっ! なんじゃこれは!?」
攻撃に移ろうとした瞬間、うっすら巨大な“ガーネット色の手”が見えたかと思うと、音速を超えた際に響く轟音が部屋を一瞬支配し、余りにも鮮やかな閃光で視界を遮られる。
「おのれぇっ! 正々堂々と戦わぬかあっ!」
言い放った格好のまま、クラーケギルディは硬直し、もう二度と動く事は無かった、
「―――」
「tas notiek uz leju」
指すべてを前方へと向けた掌底で、腹に風穴をあけられたのだ。終わらせぬと両手を穴へと突っ込み、身体を上下に引き千切る。
「な、妾でも感知できぬと―――」
悠長にしゃべっている間に、現れた『侵入者』の手によって両の半身を握られ、焼かれながら握り潰されて、断末魔も無くクラーケギルディは消え去る。
余りにもあっけない、あっさりとした結末だった。
初めて目にしたその侵入者の姿は、彼女の知るエレメリアンとは全く異なる、容姿の体系を持っていた。
人間に近い造形、ガーネット色の炎で出来た両の腕、黒い肌、宝石で出来た脚に仮面……神話のどの幻獣でも無い、無理やりこじつけるしかない、そんな見た目を。
「ええい! 貴様何者じゃ、名を名乗れ!!」
「……」
無言で跳躍、ついで右フックからの左ソバット。そこからガーネット色の“何か”が目の前を通り過ぎ、更には挟み込もうとしてくる。
「ぬおおおう!?」
ジャンプで避けるダークグラスパーは、しつこく食い下がり台詞をつなげようとする。
だが相手は話を聞く気など毛頭ないと、ジャブ三発から繋げてストレート。そして躱された方向へ、炎腕を力任せに振るう。
それにつられる形で、またも“何か”が身体をかすめ、回転させられた。
最早会話の余地なしと(今更ながらに)判断したダークグラスパーは、回転を利用して跳び上がると距離を取る。
そして、己の眼鏡を片手でつまみ、声高らかに叫んだ。
「グラス・オン!!」
そのワードはツインテイルズの変身文句、「テイル・オン」に酷似しており、闇の如く黒い光と言う、矛盾した現象の後に現れた姿も、さしずめ黒いツインテイルズと言っても差し支えない、そんなコスチュームだった。
違いと言うなら……まあ、ツインテイルズ三人内でも相当違うのだが、骨上のパーツから延びるマント、手にした黒い鎌など、そこから敢えて言うなら―――宛ら悪の女幹部の様だ、といえばいいだろうか。
「このダークグラスパーの “グラスギア” による戦闘モード、そして我が鎌『ダークネスグレイヴ』の威力……とく――」
「ska??」
「ってぬごわああっ! あ、危なげほっ!?
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