二度目の急展開
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てからようやく事態の異変に気がつく。
確かにクラーケギルディは未だ膝をつき頭を垂れているのだが、それにしたって物音一つ発する事無く、微動だにしないのは幾らなんでもおかしい。
更に言えば、先程からクラーケギルディは一言も口にしていない。更なる昇格を望んでいるのなら、機嫌取りのおべっかを一つでも口にする筈なのに……だ。
良く見てみればうっすらと、何か炎のようなものがクラーケギルディに纏わりつき、口やら手足やらを封じているのが分かる。
だが影形も見えず、犯人は気配すら何処にも無い。
「な、何者じゃ!? 姿を現せ!」
お断りだとばかりに何も聞こえず、しかし状況は悪化していく。
「ふむぐ、ぐむぐおおおぉぉぉっ!! おごっ!?」
「く、クラーケギルディ!?」
漸く触手を全開放することでのがれたクラーケギルディの体が、轟音と共に真横に飛ばされ、エロゲーの山に当たって派手にまき散らす。
ツインテールを描く様に並べられていたソレは、今の衝突と爆風で見る影も無くなっていた。
「ダークグラスパー様お気を付けを! 恐らくこの者ごあぁっ! ごはっ!?」
何かに掴まれ軋むほど握られ、投げ挙げられて拳と思わしき一撃をくらい、またも宙を舞って反対側のオブジェへぶつかり、大音響を鳴らす。
今の攻撃でやっと敵の姿が見えたらしいダークグラスパーは、その『拳』の現れた地点を鋭く睨みつける。
そして息を吸い……一気に噴出させた。
「眼鏡っ!!!!!」
……言葉の残念さと違い、放たれる衝撃波は突風の如く。だが、侵入者は揺らがず、何も起こらない。
「妾の力を受けて……まるで動じないじゃと……!」
ダークグラスパーのつぶやきと同時、クラーケギルディが音高らかに剣を抜刀し、触手を蠢かせて見えぬ敵に備える。
そして待ち構えていた瞬間は―――脚元よりおとずれた。
脚をつかまれて引き摺られ、中空へと放り出されたクラーケギルディが追撃に備える。
だが何も起きず剣を少し引いた……それがアダとなった。
「crappy」
「ぐほぉっ!?」
腹部へ掌底、掌底、掌底の連打。
対抗しようとかざした剣は握りつぶされ、無残にも焼け焦げ溶けている。
触手を総動員して補うも余りのパワーの違いに、逆にクラーケギルディが引き摺り回される羽目となる。
幾つか千切って幾本か握ると、今度は部屋中に叩きつけ始める。
援護に向かおうとしているダークグラスパーだが、仲間が傍に居る所為でうかつな行動を取れない。
何とか距離を取って、彼女が攻撃できる間合いにとらえた時は……遅かった。
「我が触
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