二度目の急展開
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日も暮れ、太陽の光が薄れかけた頃。
自宅へと戻り、何時ものようにソファーへと腰掛けた瀧馬の顔は、いつにも増して疲れていた。
テイルイエローの絶不調、テイルブルーと戦う事になるなど予想外の連発。
更に、新技を試す為に唯でさえグラトニーの時に理性が暴走しがちなので、瀧馬自身が押さえようと踏ん張る所為でそれなりに消耗する精神力を、余計にガリガリとガッツリ削ったのだから当然と言えば当然か。
何とか押し寄せる食欲になれた、グラトニーである事に馴染んできた……とは言っても、やはり精神的に我慢し、忍耐力や精神力を摩耗させている部分もあるのだ。
戦闘中で無い為に気を張らなくてよい場、つまり人間体となり後半を食べるときに、次へ次へと食欲のままに抑制が利かなくなるのが良い例だろうか。
「……にしても、“攻撃”の為に纏うって、纏う目的が変わるだけで、あそこまで複雑になるとは……」
『でモマ、発想の勝利ダナ。よくやったゼ? 相棒』
「偶々だ、偶々……」
今回新たな技として編み出した、接近戦用である拳の一撃。その名も『風撃颯』。
右手でも可能なので、今後ショートレンジで役に立ちそうではある……が、生み出すまでにかなりの苦労があったのだ。
と言うのも傍目からでは一見すると、風を纏って殴っているだけに見える。しかし、実は少々ながら複雑な工程を踏んでいたりする。
グラトニーの能力は言わずもがな、取り込んだ空気を噴出させているのだが、掌やら上腕やらから放出しても、前者は敵へと向く勢いに押され、後者はバックへと噴出させる為に、ラースの力込みで無ければ纏う事など到底できない。
纏う技として『風陰東風』があるのだが、それは威力に欠けるようわざと抑え、斜めに傾けて纏わりつかせているので、身体の周囲に滞留させる事が可能なのだ。
流石にそれではアルティメギルの超絶変t―――性癖バk―――エレメリアンにも効きはしないだろう。
そこでグラトニー、及び瀧間は如何にか出来ないかと、頭を捻って悩んだ後考え付いた方法は、グラトニーの性質を加える力で風に『硬さ』を持たせ、補う方法だった。
それでも「言うは易く、行うは難し」とはよく言ったもので、ただ硬さを持たせただけでは、纏う為にと軟らかすぎれば勿論攻撃にならず、だからと言って硬度を上げ過ぎると此方の歯が立たない。
またも悩んだ末に、当てる直前で硬度を変えてはどうか? といったラースの、もう答えそのものである助言を受け、アルティロイド相手に先ず柔らかくしてトランポリンのようにし、そこから弾力で一気に跳ね上げ硬くする……といった練習を行った。
あのポップコーン騒ぎの正体は、単なる風の巻き上げではなかったのだ。
グン
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