第五十六話
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離を取る。
その刹那に一瞬ヴィヴィオの右目を盗み見るとどうやら普通の写輪眼に戻っているようだ。
まだ制御が完璧ではないか…あるいは反動が大きいか。
しかし、行使時間が短いのは助かる。
「アオ君!大丈夫?」
心配そうな声を掛けたなのはさんだが、ヴィヴィオは距離を取った俺よりも近くに居たなのはさんへとターゲットを変更したようで、着地した足で床を蹴るとなのはさんに迫る。
俺は大声で叫ぶ。
「なのはさんっ!ヴィヴィオの目を見たら駄目だ!」
「っ!」
俺の言葉に疑問を持ちつつも直ぐに視線をズラしたなのはさんは流石だ。
ヴィヴィオの攻撃を避けることに成功したなのはさんは直ぐにバインド行使を試みるが…
「それはもう覚えたって言ってるでしょう!」
捕まえた瞬間にブレイクするなのはさんのバインド。
あの目が写輪眼ならばなのはさんのバインドの術式を看破し、なおかつアンチ術式を構築することも可能だ。
とは言え、アンチ術式を作るだけの才能は別のものなのだが、それをやってのけるヴィヴィオの戦闘能力は凄まじい。
追撃に出ようとするヴィヴィオを俺が割り込んで受け止め、返す力で強引にヴィヴィオを弾き飛ばす。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
飛ばされたヴィヴィオは後ろの壁に激突してようやく止まった。
「アオ君っ!」
「大丈夫、見た目ほどダメージは無いよ」
と言うか、ノーダメージでは無かろうか。
俺の繰り出した攻撃が直撃する前に何重にもなった魔力の壁みたいなもので受け止められたような感触だったからね。
それよりも重要なことはあの万華鏡写輪眼だ。
どうして万華鏡写輪眼が使えるのかには意味が無い。だけど、その能力は脅威だ。
確認できた能力は『思兼』の劣化能力。いや、初期と言うべきか。
視線を合わせた相手の行動を束縛し、操る。
俺やソラが使うと視界に収めたら最後、距離の制限は有るが眼を合わせずとも思考を誘導することが出来る。
それに比べたら幾ばくも劣るが、実際食らってみてその能力は途轍もなく脅威だ。
ソルと言う相棒が居なければ直撃は免れなかっただろう。
ピシっパリンっ
俺のバイザーにひびが入り、一部が砕けた。
あの一瞬にどうやらバイザーに一撃入れられていたようだ。
「アオ君、その眼って…」
バイザーの隙間から覗いた俺の瞳を見たなのはさんが驚きの声を上げる。
「……これを隠すためのバイザーだったんだけどね」
ばれたなら仕方が無い。俺はバイザーを再構成せずに破棄する。
「その眼って何?ヴィヴィオのと同じだよね!?」
ヴィヴィオの左目がおかしくなっている事には気
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