第五十六話
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しかし、捉えることが出来ずにヴィヴィオが空中へと踏み出してきて反撃。
「あああああっ」
「くっ!」
寸前でどうにかバリアを張って受け止め、そのまま距離を取る。
おかしいっ!何か今のは違和感がある。
わたしは確かにヴィヴィオを狙ったはずなのに、行使した位置が人一人分隣にずれていた。
「レイジングハート!今のはっ」
わたしの問いかけに少しの逡巡の後答える。
『……ターゲットロック、魔法の術式とも行使寸前までは問題ありませんでした』
「ならなんで!?」
『マスターが寸前で術式に割り込んでターゲットをずらしたんです』
「え?」
そんな馬鹿な!…だけどレイジングハートが嘘を言うわけはない。
だけど、わたしにはそんな事をしたつもりはまったく無かった。
「はあああああああっ」
また迫るヴィヴィオのコブシ。
「くっ!」
突進してくるヴィヴィオにカウンター気味にバインドで捕獲しようとして、今度も行使位置がズレる。
『プロテクション』
レイジングハートがとっさにバリアを張ってくれたお陰で何とか防ぎきることに成功したわたしは直ぐに距離を取った。
まただ…
【そう言えばぁ、聖王協会に秘蔵されている聖王オリヴィエの日記には竜王アイオリアは人の意思を操ったって書いてあるそうよ】
人の意思を?
それは貴方がやっていることじゃないっ!
しかし、今の言葉で符号する所がある。
わたしはちゃんと狙ったはずなのに、どうしてか寸前で狙いを外してしまっている。
つまりわたしの意志が捻じ曲げられている?
しかしそれが分かったとしても対処方法が分からなければ結局無意味だ。
人の意思を捻じ曲げる。
催眠や暗示の類の魔法は少ない。しかし行使されたであろう瞬間に魔法陣が展開された様子も無かった。
予兆が無ければかわすことは難しくなる。
『アクセルシューター』
「シュート」
「これはもう覚えた!」
ヴィヴィオがシューターを前に出ることで避けようとするが、当然わたしはヴィヴィオへ誘導したはずだった。
『プロテクション』
「ぐっ…」
しかし、やはり誘導は見当違いのところへと飛んで行った。
それからのわたしは防戦一方に追いやられる。
プロテクションはレイジングハートが張ってくれているから直撃こそ受けてないが、どうしてもわたしの体が回避行動を取ってくれない。
自分の意思が曲げられている事に恐怖を覚えると同時に、どうしても攻略の糸口が見つけられないまま時間だけが過ぎていく。
そう言えばあの戦闘機人の声も、何やら慌てたような声を最後に聞いていないような…もしかしたらアオ君が到着したのかも
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