sts 18 「私の大切な……」
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める。
みんなの後姿を見送るのはこれまでに何度もあった。やけど聖王教会で機動六課設立の理由を話したことで、自分の中での扉が開いてしまったのか、不安やみんなを頼りたい気持ちが溢れてきた。気が付けば私はみんなの方へ駆け出しながら話しかけていた。
「あのな……私にとってみんなは命の恩人で大切な友達や。六課がどんな結末や展開になるかは分からへんけど……」
「はやてちゃん、その話なら出向を決めるときにちゃんと聞いたよ」
「俺達は自分で考えて納得した上で今ここにいる」
「だから大丈夫だよ。それにはやてや八神家のみんなは、なのはの教導隊入りや私の試験をたくさんフォローしてくれた。今度は私達がはやて達をフォローする番」
みんなの顔はとても温かな感情に溢れていて、思わず目頭が熱くなってしまう。涙を流さずに済んだんは心配を掛けたくないとか、部隊長としての威厳のようなものを考えたからやと思う。
「あかんな、それやと恩返しとフォローの永久機関や」
「あはは、そうだね。でも友達ってそういうものだと思うよ」
「それに今のところはやては何も間違ってないと思う。だから何かあった時は、胸を張って命令して」
「部隊長だからって全部抱え込もうとするなよ」
嘘偽りない笑顔を浮かべるみんなを見て、私は本当に良い友達を持てたと幸せな気分になった。なので自然と元気な返事が出た。
話も一段落したため、みんなはヴィヴィオの居る部屋へと歩き始める。私はみんなを見送った後、部隊長室に戻った。
部屋の明かりはつけずに窓際にあるイスに腰を下ろし、携帯していたデバイスを取り出す。いつものように一段上の引き出しに仕舞おうとした瞬間、不意にアルバムが目に留まった。私はそれを手に取り、机の上で広げる。
小学生の時になのはちゃんにフェイトちゃん、アリサちゃん、そしてすずかちゃんと一緒に撮った写真。中学時代のアリサちゃんとすずかちゃんが写っている写真に、なのはちゃんとフェイトちゃんと一緒に撮った写真。シグナム達と一緒に撮った写真、と様々な思い出がアルバムには詰まっている。
「…………ぁ」
アルバムを捲っていると、不意に1枚の写真が目に飛び込んでくる。
それは私にとって誰よりも大切な人……ショウくんと最初に撮った写真だ。そこに写っている彼の顔は嫌そうにしているけれど、アルバムを捲るに連れて表情は明るく優しいものになっていく。
ほんま……ショウくんは変わったよな。
冷たく人を寄せ付けようとしなかったのに今では多くの人と普通に接してる。最も近くに居った身としてはとても嬉しい……ことではあるけど、どこか寂しいとも思ってしまう。そう思うのはショウくんのことを独り占めしたいと本心では思ってるからかもしれん。
「部屋の明かりくらい点けたらどうなんだ?」
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