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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K9 防人は世話焼き?
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 リディアン音楽院地下。二課の訓練室にて。
 おれはプリトウェンのシンフォギアをまとって、天井も外周もでかいホールの中心に立っていた。
 上の限られた長方形だけが強化ガラスで、おれを見下ろす了子サンが見える。

《それじゃあ始めるわよ。啓君》
「うっす」

 今からやるのはプリトウェンの使い方応用編ってとこだ。
 おれがバリアを展開できるのは、どんな種類であれ半径3メートルが限界らしい。
 なので、その展開距離を広げる、つまり離れた場所でもバリアを張れるようになるためにするのが今日の訓練だ。ちなみにコーチは了子サンだ。

 手をかざす。出ろ、いつもの盾。

《OK。そのまま少しずつ、バリアを維持したまま下がって》
「はい」

 一歩。二歩。三歩。よん……いっ!?
 か、体重い……! ちょ、早い早い、おれの限界! 目覚めろー! おれの中の何かー!

《数値が乱れてるわよ。ほら、若いんだから頑張りなさい。そんなんじゃ次の任務で響ちゃんを守れないわよ》

 今のワードは覿面に効いた。何せいきなり体が軽くなったんだから。いや、重いんだけど気にならなくなってって言うべきか。


 ――その日はまさかの20メートル、普段の6倍以上の維持範囲記録を叩き出した。

《やるじゃなぁい♪ 啓君ったら本当に響ちゃんが大好きなのねえ》
「はい、好き、です……っ」

 初めて他人が聞いてるとこで響ちゃんのこと好きって言った。

《よろしい! それじゃあ今日はもう帰って休んで、明日きっちり働きなさいよ?》
「あーざーっした!」






 実家に帰るべく、鞄を肩に引っかけて廊下を歩いてると、沈んだ表情の響ちゃんが休憩スペースで膝を抱えてた。

「どした? 帰って休んでるんじゃなかったんか」
「啓。うーん、ちょっとね」

 響ちゃん、ごまかしの笑顔でおれを騙せると思ったら大間違いだぜ。唐突に新聞とか取ってみても無駄無駄。

 たまたま響ちゃんが開けた新聞が、結構ギリギリな下着モデルの写真だった。

「……啓もさ、こういうの好きなの?」

 あれ? おれ、そんなまじまじ見てた?

「男だから女子は嫌いじゃないよ。こういうのも好きだし」

 おれとしてはもうちょい慎ましい体型のが好みなんだけど。響ちゃんは――そもそも体型云々の次元にいないし。

「そーなんだ。へー」

 そこで唇尖らせるとか可愛いんだけど。何これ期待しちゃっていい流れ?

 響ちゃんがテーブルに戻した新聞の一面は、でかでかと風鳴サンが独占してた。見出しは……海外進出? へえ、あの人、外国行くんかあ。

「何をしてるの。あなたたち」

 おお。噂をすれば何とやら。当の風鳴翼サンの登場だ。


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