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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K8 立花家
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いてってくれた少年漫画週刊誌はもう暗記するくらい読んじゃったし。どーしよっか。

 ん? 今、ノックの音がしたぞ。

「はーいどーぞー」

 ドアがスライドして人が入って来た……

「翼さん! ――お母さん、おばあちゃん!?」
「同じ病室を訪ねると聞いて、道案内をした」

 お母さん、仕事忙しいのに。こんな昼間に、おばあちゃんも一緒ってことは、多分、休み取って車で、だよね……

「ごめんね、お母さん。わざわざ」
「何言ってるの。こっちこそごめんね。なかなか休みが取れなくて、お見舞い、遅くなっちゃって。本当は一番に駆けつけなきゃいけないのに」

 お母さんがわたしをぎゅってした。無条件に安心して、ちょっと泣いちゃいそうだ。

「ありがとうございます、翼さん」
「――――」
「翼さん?」
「――どういたしまして」

 わっは。答えてもらっちゃった。これってすごい進歩だよね。初めて会った頃なんて、頃なんて……うん、あれだったけど、今はこうして会話が成立してるんだもん。

「ところで響ちゃん、こちらの方は? 同じ学校の先輩とは聞いたんだけど」
「おばあちゃん、知らない? 歌手の風鳴翼さん。わたしも知り合ったのはかなり最近だけど」
「まあまあまあ、歌手? そんなえらい人がねえ。わざわざ響ちゃんをねえ。ありがとうございます、ありがとうございます」
「い、いえそんな、あ、あの」

 おばあちゃんにペコペコされて翼さんがあたふたする。わー、翼さんでもあんな顔するんだ〜。あ、握手まで! く〜、おばあちゃん、いいなあ。

「その、そんなふうにしないでくださいっ。立…響さんのことは私にも責任がありますから」

 わ? 翼さんに下の名前で呼んでもらっちゃった。

 なーんか今日は翼さんが優しいなあ。嬉しいなあ。

 お母さんはパジャマや着替え、それに暇つぶしになりそうな本とかDVDを置いて、お医者さんに挨拶に行くって出て行った。おばあちゃんも一緒に。


「いい人たちね」
「はいっ。自慢のお母さんとおばあちゃんです」

 まだ実家にいた頃。どんなにイヤガラセを受けても、お母さんもおばあちゃんも「あなたのせいじゃない」「あなたは悪くない」ってずっと言ってくれて、味方でいてくれた。
 家族だから当然なんて思わない。
 そういう人たちの家の子として産まれたわたしは幸せ者だ。

「なら尚の事、秘密は隠し通すことね。全てが明るみになった時、類が及ばないとは言い切れないから」
「う……はい」

 訂正。翼さんは優しくなったけど、締めるとこは締める先輩でした。
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