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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
手合わせ
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「いや、残念だがな。アイズは苦戦、フィンと私の二人係りで漸く退かした」

Lv6が二人でって……それに、あの【剣姫】が苦戦?

視線を隣にやれば、下を向いて黙り込むアイズの姿。
どうやら、本当のことらしい。だがそうなると、かなりヤバイことには違いない。

「……少し、お茶を入れて参ります」

パディさんが立ち上がり、場を離れた。スウィードも、手伝おうと一緒に立つ。上級冒険者とはいえ、Lv2のパディさんには荷が重い話なのだろう。それはスウィードも同じだ。

いつになく真剣な面持ちで話を聞く団員達。
そらは俺も同じだ。もしかすれば、出会うことになるかもしれないのだから。

「その女についてはそれくらいだ。あとはモンスターだが……これは【ロキ・ファミリア】(わたしたち)が以前行った遠征の五十階層で出会ったものに酷似していた」

「……五十階層で出現するモンスター……って訳じゃ無さそうっすね…」

「ああ。詳しいことは分からない。が、これらにその女が関わっているのは間違いない」

「確証は?」

「そのモンスターを含めて、植物のモンスターもいてな。あの女が操っていた」

「……調教師(テイマー)か? オラリオで指折りの調教師(テイマー)は【ガネーシャ・ファミリア】のとこだが……」

「自派閥の冒険者を殺すのは考えづらいっすよね」

「それは我々も同意見だ」

「……本格的にヤバイことにはなってるわね」

「……」コクリ

その後、ハーチェスさんやお茶を入れて戻ってきたパディさんからリヴェリアさんへの質問が行われた。
そんな中、俺は一人隣で未だに俯いたままのアイズに話しかけた。

「なぁ、聞きたいこがあるんだが、構わないか?」

「……zzz」

「おい」

俯いてると思ってたのに、寝ちゃってたよこの人

「……ん……何?」

うっすらと目を開けてこちらを向いたアイズ。

「いや、聞きたいんだが、お前がウダイオスに一人で挑もうとしたのは……その女に負けかけたからなのか?」

我ながら直球過ぎる質問だとは思う。
アイズは、一瞬目を伏せた。が、両膝を立て、そこに顔を埋めるとコクリと頷いた。

「……そうか」

本気で強くなろうとしていたのだろう。俺とみたいな軽い気持ちではなく、その女との戦いでの悔しさとかを含めて挑もうとしていたのだろう。
その背に背負った重みが違う。そう思わされた。

だからだろうか

「アイズ。一つだけ、頼んでもいいか?」

「……?」

不思議そうな顔でこちらを見上げるアイズに、俺は言葉を続けた。

「明日の早朝、おれと手合わせをしてほしい」



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