2期/ヨハン編
K5 戦姫vs餓鬼
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、ナスターシャは言い聞かせるようにくり返した。
「それよりもそろそろ視察の時間では?」
ウェルが視察と言っているのは、“フロンティア”についてだ。
通称“フロンティア”。F.I.S.によって確認された超巨大遺跡を指す。今夜ナスターシャが内密に最終調査に赴き、正確な位置と封印機能を把握する予定になっていた。
「“フロンティア”は計画遂行のもう1つの要。起動に先立って視察を怠るわけにはいきませんが――」
ナスターシャは意味深な目をウェルに向けた。
ウェルは決して裏切りや内通を働いたわけではない。むしろ彼の働きは武装組織フィーネに多くのメリットをもたらして来た。
それなのに、信じきれない。どうしてか、信じられない。
「マム、僕が残ります。僕がドクターのガードに付きます。それでしたら、主力のマリアたちがマムに付ける。ドクターの心配は拭えるかと思いますが」
ウェルはヒョイと肩を竦めた。理屈を捏ねない以上はウェルも了承したのだろう。
「……では留守番がてら、ヨハン君とネフィリムの食糧調達でもしておきましょうか」
舌打ちしたくなったのを、我慢した。
パープルライトのモニターに日本側のシンフォギア装者が映し出されたのは、夜明けも迫った時刻であった。
ウェルはタッチパネルの「あるボタン」を押した。
「おもてなしと行きましょう。君はここで他に侵入者がないか監視していてください」
ウェルはソロモンの杖を持ち、制御室を出て行った。
ヨハンはモニターに視線を戻す。
数分そうしていると、モニターにアイロン型ノイズの群れが現れ、スピーカーから若い女子の歌声が聴こえ始めた。
《 『挨拶無用のガトリング』! 『ゴミ箱行きへのデスパーリィー』! 『one,two,three』…ッ『目障りだ』ああああ!! 》
イチイバルの装者が弾丸を、赤い矢を惜しみなくアイロン型ノイズに降らせる。
他二名、ガングニールと天羽々斬の装者もそれぞれ拳と剣でノイズを撃退していく。
一見して快進撃。
だがそれは長くは続かない。
装者たちは次々と、武器の形状レベルを落とし、息を荒げ始める。
少女たちは気づいていない。自分たちがどのような空間で戦っているのか。
(ALi_model_K0068_G。生体と聖遺物の繋がりを阻害し、装者とシンフォギアの適合係数を低下させるガス……苦しいでしょう。僕も散々苦しめられたよ)
今同じ苦痛を味わっている少女たちへと、旧友にするように心中のみ語りかける。
ウェルが開発したAnti_LiNKERの気化タイプ。まだ開発途中であるが、効果は実験体になったヨハンがよく知っている。
適合係数が低下す
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ