1〜2期/啓編
K6 白蛇聖少女
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落だろうが。
「ハッ。ビビってたんじゃねえのかよ!」
「響ちゃんが狙いなら話は別だ!」
おれが護るって約束した女の子。一度死んだに等しい子。だから響ちゃんにだけは絶対手出しさせねえ。もう二度と、あんな生活には戻さない。
了子サンは言った。プリトウェンは盾の聖遺物だ。防ぐ、守る、が主体で、サポートに徹しないなら有効打は一つ。
バリアサークルを右腕に貼りつかせる。即席グローブを装着して、白い子をまっすぐ――
「防御は、最大のぉ……攻・撃ッ!」
殴った。
防ぐんじゃなく、ぶつける。プリトウェンが何物も通さない盾なら、逆にその硬度を利用して、おれ自身が格闘技で戦えばいい。ナックルやレガースにしたプリトウェンなら、普通のキックやパンチでもダメージは普通以上が期待できる。
期待できる、はず、なのに!
普通のノイズなら一発KOなのに。この子のアーマースーツ、全身タイツに見えて実は白い面がびっしり蛇の鱗で覆われてる。通るわけねえだろ、こんなん反則だ! 風鳴サンが腹パンされただけで吹っ飛ぶはずだ。
「それで終わりかァ?」
はっ。やばい。待った。おれがいるの、白い子の懐――
「なら吹っ飛びな!」
「ガッ…あっぐ! か…は…っ」
蹴られた。腹だ。派手に吹っ飛んだなって自分でも分かる衝撃だった。
は、腹痛ぇえ…! クソ、何で腹には装甲ねえんだよ。
吹っ飛ばされた先には風鳴サンがいて、もろにぶつかって、二人仲良く芝生にダイブしちまった。
「どきなさい!」
風鳴サンはおれを突き飛ばして立ち上がると、またでかいブレードを構えた。守ってやったのに礼もなしかよ。いや礼が欲しいからじゃなくて響ちゃんに言われたからやったんだけど。
おれもどうにか立ち上がって、風鳴サンに並ぶついでに無理やり肩ぶつけてやった。
「おれが防御しますから、あんたは攻撃に専念……」
「よけいなお世話よ!」
「じゃあ目の前でやられんなよ! 後味悪ぃだろうが!」
もうエセ敬語も使ってらんねえ。
「ハッ。仲間割れかよ」
「剣の我が身に仲間も何もない!」
こっちを見もしねえでやんの。マジで見捨てたろかこの女。
「 Gatrandis babel ziggurat edenal―― 」
響ちゃん? その歌、何だよ。今までのとちが……
目の前の白い女の子との闘いもやだけど、啓と翼さんの言い争い、聞いてらんなかった。
「……めて……やめてよ」
憧れの人と弟がギスギスしてるだけでもやだったのに。何なの、もう。
未来との約束は破って。啓は相変らず翼さんに突っかかって。
もう…ふたりが
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