1〜2期/啓編
K4 警姫・プリトウェン
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「何故だ…何の覚悟もない人間を守って…別のギアが立ちはだかる? 認めない、認めない! 風鳴翼がそんな不条理を認めるものかぁ!!」
風鳴サンが巨人のっぽいサーベルでハイウェイを抉りながら一直線におれたちに向かってくる。
やべえ。出ろ! さっきの魔法陣っぽいバリア!
――よし、出た!
「「うおおおおおおおおおおお――っ!」」
青い巨大剣で斬られてもバリアは揺るがない。イケる。イケるぞこれ!?
「さっき言ったこと、訂正しろ!」
気がでかくなったおれは、一番イラッと来たさっきのことを叫んだ。
「なん…だとっ!?」
「響ちゃんに覚悟がない? むしろ普通の女子高生がそんなん常備してるほうが怖ぇだろうが! 響ちゃんにダメ出しする前に、まずアンタが一般常識身につけろ! 世間知らずの箱入りアイドルがああああ!」
おれの気合がドームの強度に繋がるのか、また風鳴サンは吹っ飛んだ。今度はちゃんと着地したけど。その拍子に変身? が解けたみたいだ。よっし。
「なぜ…」
遠いけど風鳴サンが唇を噛んでるのが視えた。
「なぜ…意志のない……り、…の……奏はあんなに…ロボロになっ……まで、やっと…にした…に」
くぅ。何言ってるか遠くて聞こえねー。しゃあない、近くに…っど!?
ひ、響ちゃん、止めるならもっと優しく止めてくれよお。肩外れるかと思った。
「もう、いいよ、啓」
「いいって何でっ。訳分からんこと言われて、訳分からんまま死ぬとこだったんだぞ!? 立派に殺人未遂じゃんか!」
「いいってわたしが言ってるの!!」
「っ…」
響ちゃんは知ってる。響ちゃんが本気で怒ったらおれは逆らえないって。それが惚れた弱みか、一人だけ「立花」じゃない引け目かは、おれ自身分かんねえけど。
「ごめん、なさい」
情けなくシュン垂れるおれを見ても響ちゃんは笑わず、おれの頭をわしゃわしゃした。ガキじゃねえんだから。
ダメだ、男として見られてねえ。いや、弟をそんな目で見る響ちゃんもヤだけどさ。
「翼さん!!」
響ちゃんが風鳴サンに駆け寄って一生懸命に叫んだ。っと、とりあえず追っかける。
「わたし、自分が全然ダメダメなのはわかっています! だから、これから一生懸命頑張って、奏さんの代わりになってみせますッ!」
息を殺して返事を待つ。
今のが響ちゃんのいっぱいいっぱいだ。これでダメ出し食らったらどっからもアプローチでき……
バシィィン!!
……は?
殴った? この人今、響ちゃん殴った? 平手? ビンタ?
〜〜っざけんじゃねえぞこのアマ!
「やめて!」
響ちゃんがおれの右腕にしがみついた。くそ、殴り返そうとしたのを悟ら
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ