1〜2期/啓編
K2 特異災害対策機動部二課
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錠持ったにーちゃんも、後ろの風鳴サンも、目をぱちくり。
「おれもバッチリ姉に起きたこと見たんで。もし連れてってもらえなかったら、ネットに今日のことすんげえ詳しく細かく書いて拡散します」
「――そこまでおっしゃるのでしたらしょうがありませんね」
にーちゃんが、おれが差し出した両手に手錠をかけた。
よし。これで響ちゃんだけを得体の知れねえ連中に連れてかれるのは回避だ。グッジョブ、おれ。
車で連れてかれたのは、まさに響ちゃんが通う、リディアン音楽院だった。
別々の車に乗ってた響ちゃんが降りて来たので、速攻そっちへ合流。
さっきのにーちゃんと風鳴サンに付いて、学院の中に入った。へえ、響ちゃんと未来ちゃん、普段こんなとこで勉強してんのかあ。
んで、世界中の絶叫マシンフリークもおそらくビックリな垂直落下のエレベーターへ乗せられて、このオペレーションルーム的な明るい部屋に来たわけですが。
「ようこそ! 人類守護の砦、特異災害対策機動部二課へ!」
めっちゃみんなワロてますけど? 「微笑みなど必要ない」とか仰った風鳴翼サン? あ、本人も困ってる。常識人ポジなんすかね。
「まずはお近づきの印にツーショット写真〜」
髪を頭の上でぐるぐる巻きにした、おば……じゃなくて女の人が響ちゃんの肩を抱いてスマホで自撮りしようとしてる。
「や、やですよ〜! 手錠を嵌めたままの写真なんてきっと悲しい思い出として残っちゃいます!」
んだんだ。
響ちゃんの言葉が効いたか知らないが、響ちゃんとおれの手錠は、ここまでおれたちを連れて来たにーちゃんが外してくれた。あー。重かった。
「では改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている」
「そしてアタシはぁ、できる女と評判の櫻井了子。ヨロシクね」
「こちらこそっ。よろしくお願いします」
ここで頭下げちゃうのが響ちゃんのお人好し成分だよなー。
おれ? おれは会釈だーけ。まだここの人たちの目的とか正体とか1コも分かってねえから。
「君をここへ呼んだのは他でもない。協力を要請したいことがあるのだ」
「協力って……」
「その前に」
響ちゃんより一歩前へ。
「教えてくれるんでしょうね? 姉が使ったアレのこと。アレ、一体何なんすか」
「それを教えるためにも、二つほど約束してほしいことがあるの。一つは、今日のことは誰にもナイショ♪ もう一つはぁ、とりあえず脱いでもらいましょっか」
脱ぐ…………脱ぐぅ!?
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