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K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K1 シークレット・コーディネート
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ってことだったから、そんな感じで揃えてみたんだけど。気に入らなかった?」
「全然そんなことないデス! 気に入ったデス! ありがとう、マリア!」

 切歌はマリアに抱きついた。マリアは優しく切歌の頭を撫でてくれる。幸せだ。

「ところでマリア。どうしてあたしが腕に筋肉付いたの気にしてるって知ってたデスか?」
「ああ、それね。外出着を選ぶ時、ヨハンからオーダーがあったのよ」

 確かに腕の件の時はヨハンも一緒にいた。ヨハンが気を回しても何らふしぎはない。ないのだが。

(あたしに気を回す暇があったら、もうちょい調に何かしてやれってんデス)

 物心つく前から3人で育った「家族」なのだ。ヨハンの本命が調だということくらい切歌にはお見通しだ。ヨハン自身分かっておろうに、いつまでも切歌と調を平等に扱う。
 可愛い妹、可愛い娘、あるいは可愛いお姫様。
 そんな扱いに調とてやきもきしているのに。


「あ、調、髪が乱れちゃったわね」
「別に気にならない」
「だーめ。せっかく可愛くしたんだから。座って」

 調をベッドに座らせ、マリアはどこからか出したブラシで調の黒髪を梳き始めた。

「ところでマリア、ヨハンは?」

 ほら、当の調が意中の人を探している。

「着替えて先にマムのとこへ行ったわよ。日本へ持ってく機材のチューニングを手伝いたいからって。マムはあの体でしょう? 細かい部分や力仕事は若い男(ヨハン)のほうが向いてるわ」
「相変わらずかゆいとこに手の届く男デスねえ」
「さすがの気配り」
「ええ、本当にね。――さ、出来た。もういいわよ、調」

 ぴょこんと調が立ち上がると、黒いツインテールが跳ねた。マリアが追加で結んだリボンも髪に合わせて可憐に動いた。
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