愛と活力の涙
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ルディは足を痛めながらも立ち、自らの首に剣を当てる。
「させるものか!!その前にお前を戦闘不能にしてやる!!」
ジュビアも折れた足を引きづりながらメルディへと迫る。
(私は・・・私は・・・)
「うあーーーん!!」
今から数年前、メルディは壊れ果てた町の中で泣き叫んでいた。
「メルディ!!」
そこに一人の少年が駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん・・・」
その少年はメルディの近所に住み、幼い頃からよく自分と遊んでくれた人物だった。
少年はメルディの頭を撫でると、しゃがんで目線の高さを合わせる。
「おばさんとおじさんは?」
メルディはただ泣き叫びながら頭を横に振る。少年はそれを見て、表情を歪ませる。
「わかった。ここにいろよ!!すぐに戻って来るから!!」
少年はそう言うと、どこかへと走って行ってしまう。
「お兄ちゃーーん!!」
メルディの呼び掛けに少年は振り返らない。メルディは少年の帰りを待つことにしたが、いつまで経っても帰ってこなかった。
「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・」
メルディが泣いていると、その前に一人の女が歩いてくる。
「もう大丈夫よ。泣き止んでちょうだい」
女はメルディの頭を撫でながらあやす。人が来たことで安心したのか、メルディの泣き声が少しずつ収まってきた。
「いてて・・・あのガキ・・・」
「すごい強かったっす・・・ウーウェ・・・」
女がメルディを見つめていると、後ろから二人のキズだらけの男たちが歩いてくる。
「ザンクロウ、ヒカル。あの少年はどうしたの?」
「じじ・・・自分たちじゃ無理だからと、ハデス様がやっつけてしまったっす」
「あぁ。俺だけでも十分だったのによぉ」
ザンクロウと華院=ヒカルは女が慰めている少女を見る。
「ウルティアさん。なんだよそのガキは」
「生き残りよ」
「だ・・・だだ・・・だったら潰しちまうっす」
それを聞いたメルディは、再び大声で泣き叫ぶ。
それを見たウルティアは、寂しそうな顔をしながらメルディを優しく見つめる。
「私が面倒を見るわ」
「なーにいってんだってよ!!“ゼレフの鍵”が眠る地の民は殲滅するっていう命令だってよ?」
「あの少年もどうせ生きてるんでしょ?それに、この子を見てると、昔の自分を見てるようなの。
大丈夫・・・この子は魔道の深淵に近づけるわ」
ウルティアにそう言われたザンクロウと華院=ヒカルは渋々納得してしまう。
それからしばらくたち、メルディも今ぐらい大きくなってきた頃。
「ウルはなんでいつも
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