マブラヴ
1015話
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「そうですわね。酸味の強いパイナップルやキウイに合うように甘さを調整している生クリームが美味しいですわ」
「チョコバナナの方もチョコの甘さを抑えて少しビターな感じにして、バナナの甘さを引き立てているわね」
それぞれが感心しながら呟くが、なるほど。わざわざ生クリームやチョコも具材ごとに甘さを控えてたりしてるのか。
さすがにホワイトスターで店を出せるだけの実力は持っているらしい。
「……これだけ美味いクレープを作れるのに、何だってゴーヤクレープ推しなんだか」
「エルフ族が多いから、という訳じゃないわよね?」
千鶴が小首を傾げて尋ねてくるが、それが正解ではないというのは、千鶴本人ですらも理解している。
確かにエルフと言えば肉を食べないイメージだが、少なくてもホワイトスターにいるハイエルフやダークエルフのようなエルフ族は普通に肉を食べる。
それに、もしもベジタリアンだったとしても、苦みが強いゴーヤを好んで食べるようになるとは思えない。
となると……
「その辺は純粋に好みの差なのかもしれないな」
そんな風にクレープを食べながら話していると、やがて再び映像モニタにマリューが映し出される。
『では、これからホワイトスターと時の指輪の融合実験を行います。理論上ではホワイトスターにいる方には特に何の影響もないと思いますが、何かありましたら近くにいる量産型Wへと言って下さい。5、4、3、2、1……開始』
その言葉と共に、ホワイトスター全体が一瞬眩い光に包まれ……次の瞬間には呆気なくその光は消え、ホワイトスターと時の指輪の融合実験は、あっさりと成功したのだった。
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