序章2 襲撃
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っていなかったので思わずその場で固まってしまった。
尤も光魔法が初見だったのもあるのだが………
「何にせよやったな」
「ああ」
ジンと拳を当てあい、一息付く。しかしのんびりしていられない。
「ゼオン、お兄ちゃん、気絶しているコイツどうする?」
「………俺が処理する。ゼオン達は先に馬車の場所まで向かってくれ」
「……分かった」
そう言ってジンは落馬した兵士の元へと向かう。俺達の姿を見られた以上、逃げた方向を特定させない為にも口封じは必要だ。
「悪いジン………」
「構わないさ」
これも戦争だ。分かっていたが、この様な事が続くとなると気が滅入る。
「早く終わらせないとな………」
とても親父の言うような動乱を終わらせる切り札なのかどうかは正直半信半疑だ。だけども本当にそうであるのなら俺はこんな戦争を終わらせる為に奮闘したい。
「よし、行こう」
俺達はそのまま集落の外へと出て行った……
「く、くそ………」
「クリファー!!」
「ちっ!!」
東側の集落。
近くで戦っていたリオル族の剣士がまた倒れていくのを見て、アレスは舌打ちをした。
(戦力的には圧倒的な差は無い。ただ練度が高い……!!)
鋭い槍の突きを躱し、そのまま斬り伏せる。
アレス程の実力であればさほど問題なかったが他の剣士は違かった。
(せめてブルガルに行った剣士達がいてくれれば………いや!!)
弱気になっている自分を無理矢理切り替え、戦いながらこの戦況を打破する手を考える。
しかし妙案は浮かばなかった。
それでもアレスは決断した。
「テレス」
「何ですか?」
今いる剣士の中のリーダー、テレスに声を掛けた。彼はサカ生まれではないが、実力ではブルガルに行った剣士達にも劣らず、今いる剣士でアレスの次の実力を持つ剣士だ。
「お前が中心となり、逃げていった人達の護衛をしながらクトラ族と合流しろ」
「えっ!?」
「住民の避難はほぼ終わっている。ここで最後まで戦う必要は無い」
「ですけど、ここで退いては敵も追撃に………まさか!!」
「ああ、俺が殿を努める。だからお前は戦っている皆を率いて先に撤退しろ」
「できません!!敵の強さもかなりのものです!!いくらアレスさんでも………」
「安心しろ、俺も適当に戦ってさっさと逃げる。1人であれば山でも入れば敵も見失うだろう。だが複数居たら逆に動きづらくなる。分かるな………」
そんなアレスの問いにテレスは返す言葉が無かった。
今この場で敵味方含め、一番強いのはアレスだった。アレスの言う通り1人残って戦っても逃げる自信があるからこその提案だろう。
だがらその隣に立てない自分の不甲斐なさが情けなかった。
「
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