序章2 襲撃
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の剣を抜き、先頭に移動する。
「セリア、くれぐれも無理をしない様に」
「は、はい!!」
多少緊張しているものの、覚悟は出来ている様だ。
「よし、行くぞ!!」
そして俺達は天幕の外へ出た………
天幕の外は思ったより静かだった。
東の方から金属同士のぶつかる様な音、怒声や悲鳴が聞こえてくるが、こちらでは全く無く、まだ戦場は東側に集中しているのだろう。
「こっちの人達はもう移動したみたいだな」
「荷物も準備していたし直ぐに移動できたんだろ」
それより心配なのは東側の方だ。いくらベルンとて武器を持たない人を無差別に殺すような事はしないだろうが、所々聞こえる悲鳴が不安を掻き立てる。親父や残っている剣士が戦っているのだ。そんな心配は不要だろうが、やはり不安は拭えない。
「ねえ、やっぱり………」
「もう決めた事だ。それにアルスさんは言っていた。奴等にセリアを見せるわけにはいかないと」
ティエナの言葉に揺さぶられる前にジンがハッキリと俺にそう言った。
ジンの言う通りだ。1度方針を決めた以上、いちいち揺さぶられていたら事を成し遂げられなくなる。
「ジンの言う通りだ、部族のみんなの守りには親父もいるんだ。大丈夫だきっと」
「そうね………分かった」
「そうと決まったらさっさと行こう。ここで長いしても危険だ」
親父達の目的は敵の撃退では無く、部族のみんなの離脱までの時間稼ぎ。余計に戦う必要は無い。
暫くすればこちらまで敵はやって来るだろう。
(だけど親父が呟いていた様に何でわざわざこんな小さな集落を狙うんだ?)
今回のベルンの動きはやはり妙だった。部隊の人員数は定かではないが、多かれ、少なかれ、後に決戦をするのは分かっている筈なのに、戦力を分けてまで少し離れた場所の部族を攻撃する。
確かに決戦までの足止めや、敵の戦力低下を狙えるが、サカの部族自体、かなり多くまとまっているのはクトラ族とジュテ族位で、後はどこもそこまで変わらないのだ。
(それと親父が念を押したセリアの事もだ………何であそこまで執拗に見つからない様に言ったんだろう………もしかして………)
考察していく内に辿り付いた結論を一旦頭の奥底へと仕舞い込む。今は深く詮索する必要も無いし、例えそうだとしてもやる事は変わらないからだ。
「………よし、あった!」
「こっちも確保出来たよ!!」
やはり空き屋には持っていけなかった武器や傷薬の様な道具。それに互いに使い易そうな防具。ジンは軽く動きを阻害されない軽装の鎧。ティエナは革のプレートを付けていた。他にも俺が使い易そうな防具や剣を持ってくれている。
更に携帯食料と、旅に必要な物が多少残っていた様だ。尤も、残したと言う事はそれほ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ