序章2 襲撃
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れ親父!!」
「………ああ、そうだな。お前達は早く準備を済ませ、敵に悟られないように集落を抜け、フェレへ向かえ」
そう言う親父の指示はこの場にいる全員が予想と反した指示だった。
「皆を見捨てて逃げ出せって事ですか!?」
「それほど重要な内容なんだ。もしかすればこれから起こるであろう動乱を終わらせる切り札になるかもしれない。………だがそれは俺じゃ判断出来ない。だからエリウッドやヘクトルに託したい」
親父がここまで言うのだから相当重要な内容が記されているのだろう。
だけど一つ腑に落ちない。何故エリウッドさんやヘクトルさんの判断を得なければいけないのか………?
「どういう事だよ………さっきから親父の言っている事はおかしいよ。まるでこうなることも分かってたみたいだ」
「………あながち間違いじゃないが、そんな事は後回しだ。お前達は早く集落の外へ。……決して悟られるなよ」
「親父!?」
親父はそう言って掛けてある鉄の剣と滅多に使わないキルソード、を手に取り、そして傷薬を何個か腰の巾着に入れた。
「それとゼオン、セリアちゃんをベルンに悟られるな。もし悟られたら全力で守り通せ。後『マーニ・カティ』も持っていけ。お前なら母さんみたいに使いこなせるだろう」
「おい勝手に何を………」
「それじゃあ無事を祈る」
そう言って親父は天幕を出て行った。
「何だよあれ………」
「どうするお兄ちゃん?」
「………」
ティエナに困った顔で問われたがジンは何も言わず俯く。
「すみません。自分の住む場所が危機なのに、それを見捨てて別の所へ行けなんて言われても納得出来ませんよね………」
そんな俺達の態度を見てセリアが申し訳なさそうに言った。
「セリア………」
「私なら大丈夫です!!私杖だけじゃなく光魔法も使えるから一応戦えますし、途中で傭兵を雇えばフェレ領までだって行けます!!」
そう力強く言うセリアだがその試みは今の状態じゃ厳しいだろう。
恐らくだがベルンは動き出した。親父の話が本当なら大陸全体で戦争が起こり、そして兵士が足りなければ傭兵を雇って補うだろう。
そうなると雇うにも自然と高額になるだろうし、個人に付き合ってくるか分からない。むしろ追い剥ぎに合う可能性だってある。
「ゼオン、どうする?俺はお前の判断に任せる」
暫く黙っていたジンだが意を決した顔でそう答えた。
「………良いのか?」
「ああ。俺が判断するとどうしても私情が入りそうだ。それにゼオンの方が向いている」
向いているかさておき、ティエナもどうやら異存は無いようだ。
「………よし、だったら俺達もフェレへ向かおう」
「えっ!?」
俺の判断に驚きの声を上げたのはセリアだった。他の2人はそう言うだろう
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