序章2 襲撃
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……いや、恐らくリオル族の誰よりも冷静だった。思えばベルン兵と今日戦った時点でこうなる事は予測していたんだと思う。
『お父さんはね、本当は元軍師なのよ。それも何処の国も欲しがった優秀なね〜!』
と俺が小さい時に母さんが嬉しそうに話していたのを未だに覚えている。基本何時迄もイチャついている夫婦で、俺も大人になるにつれて恥ずかしく思った時もあったが、その反面嬉しく思っていた。
「それじゃあ俺達も戦う準備をしろって事だな」
「ベルンと………!!」
「私も頑張る!!」
俺含めてジンとティエナにも戦意が高まる。特に2人にとってベルンとの戦いは待ちに待ったものだろう。
「いいや、お前達には俺から頼みたいことがあるんだ」
しかしやる気の上がった俺たちに親父が水を差した。
「頼みたい事?」
「ゼオン、ジン、ティエナの3人はセリアと共にフェレ領まで向かってほしい」
「エリウッドさんの所?でも何で………」
「事はサカだけじゃない。このエレブ大陸全土に戦乱が広がるだろう。だからこそ互いに協力し合わなくちゃいけない。相手は強国ベルンでもあるしな。後は………」
そう言って親父は俺に書状を渡した。
「それをエリウッドに渡してくれ。……くれぐれも中を見ずに直接渡せよ」
「?分かったけど………」
何か念を押されるとかえって気になるのだが………
「集落の外にルードが馬車を用意してくれている。それに乗っていけ」
「ルードさんが?」
ルードとはよくリオル族に来る行商人で、サカにはない様々な物を安く売ってくれる。
親父とは古い付き合いで、俺だけでなく、ジンやティエナも面識があった。
「アルスさんは行かないんですか?」
「リオル族の戦力を減らすわけにはいかないからな。それに移動の際の護衛もある」
確かに今集落には戦えるものは数10人程しかいない。そんな中、1番の実力者でもある親父がいなくなったらベルン相手では苦しくなるだろう。
「そういう訳で、皆準備が出来次第馬車へ………何だ?」
外が騒がしくなり始め、親父が話を中断した。
『ベルン軍だ!!ベルン軍が攻めてきたぞ!!!』
外から天幕の中まで聞こえるほどの大声が響いてきた。
「早すぎる………こちらよりも優先すべきは集結しつつある部族連合の方が先だ。まだ集結していないうちに主要部族を叩く。これが鉄則だろう。……全てが集結し、準備が出来ればいくらベルンだとしても長期戦になるのは必須。その隙に上のイリヤや、隣のエルトリアから援軍が来れば苦戦するのはベルンの筈だ。そうなると無理してでも強行する理由が………それは恐らく………」
「親父!!」
考え込む親父に声を掛け、我に返らせた。
「今はこの事態をどうするかだ。指示をく
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