序章2 襲撃
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「………ってちょっと待てよ!!」
余りにも自然に置いて行かれたので俺は慌ててついて行った………
「親父連れてきたぞ」
「おっ、ご苦労」
「お帰りなさい」
そう言って迎えてくれる親父とセリア。
何時もは親父だけなので少し恥ずかしい。
「あれ?見ない顔ね………」
「そうだな、先ずはセリアの説明を先にしておくか。………ゼオン」
「あっ、俺に丸投げですか………」
と軽く文句を言いつつ、俺はセリアとの経緯を説明し始めた………
「ベルンか………」
「お兄ちゃん………」
拳を握り締めるのを見て、ティエナが心配そうにジンの顔を覗き込む。
「………大丈夫だ、俺は大丈夫だよティエナ」
優しくそう答えるジンにティエナも安心したようだ。
「………それとジンとティエナにとってこれから話す話は辛いものとなるだろう。無論俺やゼオンにも関係ある話だ」
そう本題を話し始める前から前置きが妙に重かった。こんな風に親父が話すのは初めて見る。
(………一体何があったんだ?)
膨れ上がる不安を抑え、親父の言葉を待つ。
「心して聞け。ついさっき届いた報だ。………東のブルガルが落ちた」
「なっ………!?」
その報告に俺は驚いて思わず立ち上がってしまった。
最近ベルンの動きが不自然で、警戒のためにそれぞれの部族から兵力を集め、1番近く、そしてサカで1番大きい都市、ブルガルに集結させたのだ。
当然規模が小さいリオル族も例外ではなく、実力もあった若い剣士がブルガルに送られていた。
「負けたんですか………?」
「ああ。詳しい詳細は分からないが、確かな情報だ。ベルン兵があの辺りにいたのも納得がいくしな。……ベルンは準備が出来次第サカに本格的に攻めてくるだろう」
「それじゃあ………」
「リオル族も例外じゃない」
そう親父が言ったところで空気が一層重くなる。
いずれこうなる事はサカを含めて他の国も予測していた。それほどベルンの動きは怪しかったのだ。だからこそ密かに兵を集中し、牽制したり、使者を立てて礼を尽くしたり、戦争が起きないように懸命に手は尽くしていたと思う。
なのに不意に、そして特に理由もない状態で攻め込まれるとは誰も思っていなかった。
………いや、
「既に部族の皆をクトラ族の元へ集結するように準備している。決戦はサカの部族全員で戦うだろう。その為の『サカの掟』だ」
サカの掟。
サカが侵略者によって攻められる際、部族一丸となってこれに当たると言う古くからの決まりだ。他の部族も皆が当たり前のように知っているので戦力的には申し分ない人数へと増えるだろう。
それにしても親父はこの場にいる、…
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