眼鏡と鬼
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すよ」
「じゃあ、今日はお仕事成功したんだね」
「はい。その代わりに遅くなってしまったので、晩ご飯を頂きに来たというわけです」
ナルホドーとうなずいてると
「どうぞ、姿月にはタラコパスタだよ」
ホワホワと湯気を立てていい匂いのタラコパスタ。
カイワレ大根と刻み海苔がたっぷり乗っかってて、彩りもきれい。
おなかはすいてないけど、飛白の料理はやっぱりおいしそうだ。
「花澄ちゃんは、ラフランスとウヴァをどうぞ」
まるで心を読んだように、飛白は紅茶に果物を付けて出してくれる。
「わ!いただきまーすっ」
器が白磁じゃなくて土っぽいのもセンスがいいよね。
ラフランスは繊細な器よりも、こういうちょっと無骨な器の方がよく似合うと思う。
よく熟したラフランスはそれだけでとっても美味しいのに、
紅茶と一緒っていうのがとっても贅沢だ。 独特だけど、この香りの紅茶も素敵。
紅茶とカップの境目あたりに金色の輪っかが出来てて、とってもきれい。
キザだし、時々(しょっちゅう?)裏子がいうところの”変態”なこと言うけど、
このさりげない優しさが、私の飛白を好きな理由の一つなのだ。
「ふふっ、香澄さんは幸せそうに物を食べますねぇ」
「たしかに、嬢ちゃんはおいしそうな顔させたら、お客の中で1番やな」
「この顔みたさに、僕もつい色々作ってしまうからね」
褒めてくれるのは嬉しいけど、食べてる時の顔ってのが、女の子としては複雑だよ。むぅ
「困った顔もかわいいよ、君の今夜の予定は?」
「香澄の門限は11時半だっ!」
「おや、それは知らなかったよ」
「今日こそ……コロス!」
ナイフが飛んできても普通にご飯食べてるのは、さすが Blood Tea HOUSE のお客様だ。
んごーが「店壊すなー!」って泣きながら叫ぶ中、
わたしは、ちょっとだけ頭を下げながら平然としているお客様に改めて感心した。
やっぱりこのお店ってすごい―――…
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