カクテル
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かすごいねっ!」
思わず目をキラキラさせて感心してしまう。
いろんな人が、たくさんのカクテルを考えてきたんだと思うと、とってもすごい。
大根スティックを食べながら、グラスを傾ける。うん、やっぱりとってもおいしい。
「それに、作る人の好みによって、レシピも変わるから、同じ名前でも味が違う。
なんてこともあるんだよ」
「そーなんだー奥が深い感じがするなぁ」
「要は楽しめればそれが一番、だよ」
「うん……」
いつの間にか飛白の手にも琥珀色の液体のグラスが握られている。
飛白はお酒、強いのかな? なんて、ぼぅっと考えながらグラスを傾ける姿を眺める。
骨ばった男の人っぽい大きな手、グラスを傾けると動く白い喉……
だめっ、み、見蕩れちゃ変だよね……っ 顔をそらしてんごーの方を見ると、
新しかったはずの一升瓶がほとんどなくなりかけてるし、ワインも半分ほどになってる。
「ねぇ飛白あっちの方、大丈夫?」
「オーナーなら場所知ってるから放っておいてもいいよ」
「そうじゃなく…」
「くおらぁ!かすりぃっお前ぜんっっぜん飲んでないじゃんかぁ!」
私の言葉を遮って、身を乗り出してきた裏子が、飛白に絡みだしちゃった。
「ぎゃははははっ!そやでぇ酒はたのしゅう飲まんとな!」
私がゆっくり飲んでる間にえらく楽しいことになっているようで、なによりです。
じゃなくて!思ったとおり酔っ払っちゃってるじゃん!2人ともっ!!
何のためにセーブしてたんだかわかんないよね!?これ!
「飛白、おかわりはワインが飲んでみたいな♪」
カクテルを空けて、かわいく首をかしげておねだりしてみる。
1人だけ我慢して、チビチビ飲んでるのが、バカらしくなったのだ。
「僕はかまわないけど…」
「ええやんええやん!今日は無礼講といこうやぁ!」
「そうだぞ!お前だけ飲まないなんて許さないからなっ!」
「やれやれ……」
苦笑しながらも飛白は新しいボトルを出してくれた。
裏子の飲んでるのより小さいサイズだ。半分くらいの量かな?
「これなら裏子ちゃんの飲んでるものより甘いから、飲みやすいと思うよ」
「やったー!」
バンザイして喜ぶ私に、ワインを注ぐと、残りをガラスのバケツに入れてくれる。
バケツの中には氷がいっぱい。ワインがぬるくならないようにしてくれてるんだね。
グラスに鼻を近づけると、甘くて花みたいないい香りがする。
「いい香り〜いろんな花が咲いてるお花畑にいる気分」
「その香りが分かるなら、大丈夫そうだね」
「ふふっ、だってあれだけ我慢してゆっくり飲んだんだもん」
笑いながらそう言う。
普段なら好きでもないビールを5,6杯は飲まされてるくらいの時間で
弱いカクテル1杯じゃ、酔ったりなんか
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