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BloodTeaHOUSE
十五夜
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だけどね」

「9月じゃない年もあるんだ!」
「旧暦には閏月っていうのがあるから、30日くらいはズレがあるんだよ」
「あ、それ知ってるよ。昔の日本って月の満ち欠けで一ヶ月を決めてたから、
 1年にすると余りの日が多くて、計算がすごくややこしいんだよね」
「そうだね」

「どうしてそんなことにしちゃったのかな?お誕生日がずれちゃうよね」
「だから昔はお正月が誕生日だったようだね。お年玉や数え年はその名残らしいからさ」
「お誕生日がみんないっしょはつまんないから、今のほうがいいな」

うん、その人だけの特別な日ってやっぱりステキだもん。
誕生日はなくなったら悲しいよね。

「でも3月と4月の間に閏月が来たら春休みが一ヶ月長くなるよ?」
「むぅ〜。それは魅力的かも」

一ヶ月もお休みが増えたらわくわくしちゃうかも。
なんとか両方ってわけにはいかないのかなぁ〜‥‥

「今年もそうだけど、閏月のせいで十三夜月から立待月、十七夜くらい幅があるそうだよ」
「満月じゃなくてもいいからお月見は綺麗な月の日にしたいな」
「なら来年からはそうしようか」
「うん、約束ね」

なんて指切りをする。ふふっ、来年の約束をするなんて楽しいな。

せっかくいい夜だからと、バイオリンを持ってきて”月光”を弾いてみる。
こんな綺麗な月夜に作られた曲なのだろうね。
私の音も月の光のようにキレイに歌っているだろうか。虫の音を伴奏に音を紡いでいく。

「しかしお月さんにウサギがいてるようには、ワイには見えんなぁ」

んごーはそう言うけど、うさぎの餅つきだと思って見てると、割とそんな風に見えてくる。
人間の目って不思議だなぁ〜なんて考える。

「アタシにも見えないぞ。どこをどうみるんだ?」

う〜ん。裏子も見えないのか。ちゃんと杵も臼もウサギもいるのにな。

「素直な心を持った人にしか見えないのさ。ね?香澄ちゃん」
「そうなの?」

心が重要なものなの?なーんて思ってると、

「素直になって、裏子ちゃんも僕に身を任せてみようよ」
「結局お前はソレか!!」

なんていつものドタバタが始まってしまった。

I love you.を 月が綺麗ですね と訳したのは誰だっけ? お月見は綺麗な月の日にしたいね





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