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BloodTeaHOUSE
社会生活
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ある物には見えないんだけど……

「え〜…この壷、どこが珍しいの?100均とかで売ってそうなんだけど」
「それはなぁ、できてから1億と2千万年経ったらもっと恋しくなる壺やで!!」

…それは何世記何エリオンなの?
売った人もどうしてそんなわかりやすいウソをついたのだろう?

「こっちもすばらしいで!中の見えへんクリアファイルや!!

クリアちゃうやん…おっと、関西弁が伝染りそうになった。
普通の厚紙のファイルだね。うん。文房具屋さんに売ってそうだよ。

「そんでコッチが二人羽織用のお箸と茶碗や!!!」

どう見てもプラスチックの普通のお箸と茶碗にしか見えない‥‥‥
どこかの誰かが言っていたように、どうせウソをつくならなるべく大げさなウソを
ついたほうが人は騙されるっていうのが正しいってことなんだろうか?

「花澄、いろいろ言いたいことがあるのはわかるけど、諦めろ」
「花澄ちゃん、言葉にしても届かないってことは生きてれば必ず経験することさ」

いつもんごーをどこまで伸びるかトラックにくくりつけて試そうとしたり、
輪切りにしてにしてゴム製品にできないかと考えたりしてる二人からの言葉は、
とっても残念な方向に重みを感じさせてくれた。

ふと、突然に飛白がくしゃくしゃと頭を撫でてくれるのを真似してみたくなったので、
カウンターの背の高い椅子の足置きに乗って、手を伸ばしてみた。

背伸びしたらやっと手が届いて、嬉しくなってくしゃくしゃと飛白の頭を撫でたら、
思ったとおり、すごく柔らかい。東洋人とは髪の質が全然違う。

「背伸びしてまですることかい?」

と、苦笑されてしまった。むぅ〜。
裏子のも撫でてみる。くしゃくしゃ〜 あ、なんだか馴染みのある感触だ。
裏子は中国生まれだからか、髪の質は日本人とそんなに変わらないよね。

「ん?えらいえらいか?」

うん!裏子は偉いぞ!探せばもうちょっとマシな仕事がありそうなのに、
ここで店員さんを続けてくれてるなんて、すごくえらい!

「それにしても、頭に毛が一本もないねー」

ついでにんごーの頭をつるつる撫でる。飛白や裏子と比べるまでもなく、
んごーの頭はつるつるだ。1本も毛がない。どこにも毛が生えていない。

「は、」
「は?」
「ハゲやないで!ワイはハゲちゃうんやからな!びぇ〜〜〜〜〜ん」

大泣きされてしまった……
まさか大声で泣き出すとは思ってなかったので、わたわたしてると、

「気になるんだったらヅラでもかぶれば?」

と、追い打ちをかける裏子に

「既にいくつか所持してるよね」

と暴露する飛白。
カウンターから転がり落ちてジタバタと泣きながら暴れる(悶える?)
んごーのことが、今日はあんまり
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