君を信じたい
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…… それは、本気で言ってるのかい?」
飛白の声に困惑の色が滲む。きっと困らせちゃってるよね。でも、諦められない。
1度で伝わらないなら、何度だってこの気持ちを伝えよう。
「戯れでこんなこと言えないよ。本当に、そう想ってる……嘘じゃ、ない」
そう、何度だって、何回だって、痛くっても、伝えたい。 伝わるまで、ちゃんと。
「…………バカな!…… 僕が君に言ったことを、本当に理解した上で言っているのかい?
それとも、僕が何を言ったか、忘れてしまったとでもいうのかい?
なんならもう一度最初から説明が必要なのかな?」
「ほら、君は今すぐ、さっきの言葉を撤回するべきだ」
胸が痛いけど、顔は熱いけど、飛白をまっすぐ見つめて言う。
「飛白が、好き」
精一杯まっすぐな言葉で伝える。青い瞳を見つめて、届きますようにと、祈りをこめて。
「…………… 本心なのかい? ………それが、君の。…本当に?
それが本心だと、その言葉が真実だと、君は証明できるっていうのかい?」
少し驚いた顔をしたあと、そんなことは出来はしないだろうとばかりに
ツケツケとした口調で詰問される。 でも、ここで怯んだりしない!
「できる。……何をすればいい? 信じてくれるなら、なんだってする…」
どんなことを言われてもいいように覚悟する。どんなことだって、
なんだってするよ。なんなら悪魔に魂を売ってもいい。そう思って飛白を見つめる。
「…………、……、…、………すまない。
慣れないことを言われて…少し混乱しているみたいだ………」
少し困ったふうな顔。そんなに困らせるようなこと……だったのかもしれない。
どうしよう……嫌われちゃったら。もう来るなって言われちゃったら、どうしよう……
「…バカだな、僕は。 冷静になろうとすればするほど、そうではいられなくなる……」
ごめんなさい… 困らせちゃったんだよね……… しょぼんと俯いてしまう。
張っていた虚勢もしぼんでぺしゃんこになってしまった。
「……………僕は………、人からの好意に、慣れていない……
いや…… 本当は、否定して、拒絶して、ただ、自分が安心していたいだけなんだ」
飛白が静かに語りだす。 偽りの世界に身を置くことの、意味を。理由を。
「僕は、裏切られるのが……………………怖い。
たまらなく怖いから………先に、何もかも壊してしまうんだ…」
私には想像もつかない、切なる思い。身を切るような言葉。
ただ黙って見上げて聞くことしかできなかった。
「ハハハ、可笑しいだろう? 200年も生きておいて、
そんな子供じみたことを、考えているだなんて」
乾いた笑い声が哀しい。想像すら許されない悲しみが哀しい。
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