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BloodTeaHOUSE
夏休みの課題
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杉子、結局2人は結婚したらしい。

野島は、この辛さを糧に、大宮とは仕事で決闘する!と決意した。

「‥‥とまぁ、話としてはこんな感じかな?」
「なるほど、わかりやすい3角関係だね」
「ふふっそう思うでしょ?」

にんまりと私は笑う。一見すると美少女に恋したけれど親友に取られる主人公の話だと思える。
でも、ちょっと穿った見方をするとなかなかにこれが面白いのだ。
おかわりを入れてもらった紅茶に口をつけながら話す。

「ということは別の解釈があるのかな?」
「あのね、親友の大宮が好きだったのは実は野島なんじゃないかなって思うんだよね」

「ふむ。面白い見方だね」
「だってね、大宮って最初の方から杉子に対してあまり関心なくて、
 文壇や政治の話で野島の気を紛らわせていたでしょ?
 それに鎌倉に移って仲田兄妹と知り合ってからも交流を避けてたし‥‥」

「そういえばそうだね。つまり大宮は、鎌倉に移って野島との楽しい共同生活が始まったと思ったら、
 杉子や仲田が家に来て邪魔をするから、つい冷たくしてしまった。というわけかい?」
「うん。親友の恋路を応援してるにしては、不自然な行動だと思うんだ」

「なるほど?だから仲田家へは行きたがらなかった、というわけだ」
「そ。それにね、散歩で先に帰ったのだって、絶対に野島の性格からして、
 1人で残るなんて言えないのわかってて、先に帰ったんだと思ったの」

「じゃあ、突然遊学するなんて言い出したのは何故だい?」
「それはね、だんだん杉子があからさまに好意を寄せ始めて困ったのと、
 病で寝てる野島の姿を見て、思わず衆道の道に走りそうになったからだよ」

「じゃあ、大宮は野島への愛と杉子からの愛の狭間で揺れ動いたことになるね」
「そうなの。しかも、もし大宮が杉子を振っていたら、
 野島と結婚したかもしれないでしょ?心情的には複雑そうだと思わない?」
「若者の愛と友情の狭間で揺れる単純な相関図より複雑だね」

「日本って今でこそ規制が厳しくなったけど、元々性的タブーがない国なんだよね」
「衆道もその一つだよね」

「うん。でもそれだけじゃないよ。近親婚なんかは平安時代から貴族で一般的だったし、
 錦絵ってあるでしょ?人気のある役者さんとかの」
「写楽なんかが有名だね」
「そういうのにね、人気のある遊女も描かれて、それがすごく人気があったんだって
 アイドルの写真を集めるような感じかな?」
「キリスト教圏じゃ、ありえない話だね」

「ほかにも、お稚児さんって言って年端もいかない男の子が女人禁制のお寺で
 お坊さんのお相手をしていたりね」
「そう考えると、日本は随分厳しくなったんだね」

なんてしゃべっていたら、裏子が奥から出てきた。


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