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BloodTeaHOUSE
君がいる夏
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ぱっと足を払われて抱き上げられた。
あっという間にお店に連れて行かれて、気がついたらジャーっとお水をかけられてた。
水をかけてる足をそっと持たれて、なにかされてる。

「これはちょっとひどいね、痛いだろう?」

火傷の状態を見てたみたい。よくわかんないけど。

「…」

なんとか頷くけど、なにも答えられないくらい痛い。
眉根をよせちゃうくらい痛い、口をぎゅっとするくらい痛い。体が硬くなるくらい痛い。
目もギュってしたまま開けられないくらい痛い。冷やしてても、そこだけ冷たく感じない。
もし、もっと小さかったらきっと泣いちゃってたと思うけど、じっと我慢する。

私たちがいないのに気がついた裏子とんごーも来て、いろいろきいたり「だいじょうぶか?」って言われるけど答えられない。

しばらくして、ようやく少し痛みが引いてきたから、ゆっくり息を吐いて、目をあけた。

(……ここ、おフロ場?)

私は飛白のひざに座ってるから濡れてないけど、飛白の靴とかズボンが濡れちゃってる…
飛白は少し眉根を寄せて、口もぎゅっとしてて、じっと足の火傷見てて。

いつの間にか飛白のシャツを握ってたから手を離そうとしたけど、
力が入りすぎてて指がうまく動いてくれない。

「握ってていいから」

やっぱりこっち見ないでそう言われたから、大人しく力が抜けるまでそのままにしておく。

(そういえば素足で下駄はいてない。いつのまに脱いだのかな?)

体から力が抜けて、シャツを手離すまで、時間がすごくかかったけど、
痛みはマシになったし、ようやくしゃべれるようになった。

「だいぶマシになってきたよ」
「痛みが取れるまで冷やさないとダメだよ」

火傷だけ見つめる飛白に怒られた。
その顔みてたら心臓がきゅっとして、私もおんなじ顔になる。

肩を抱かれて背中を支えてる手に気がついて、
足を上げて座ってるという不自然な体勢でも倒れなかった理由がわかった。
体に力を入れてたせいで、痛みが引く頃にはくたくたになってた。

「もう痛くなくなったよ」
「立つのは手当が終わってからだよ」

なんてまた抱き上げられた。どうやら私はお店の2階にいたらしい。
階段を下りてお店に戻ると、ソファに座わって、手当をしてもらう。
と、思ったら火傷を飛白に舌でぺろっと舐められた。

「!!」

突然のできごとに、びっくりして飛び上がると、

「痕が残らないように、おまじないだよ」

と、くすくす笑いながらこっちを見た。
私だってちょっとした怪我なら舐めて放っておくけど、火傷には無効だと思う。
傷の治りは普通の人よりもずっと早いから、痕にはならないだろうけど‥‥

「手当にかこつけて変態行為すんな!」


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