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BloodTeaHOUSE
オムライス
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夏休みに入ってから1日の大半を、このお店で過ごすようになった。
んごーに頼んで、休憩室に夏休みの宿題や本なんかを置かせてもらっているのだ。
もちろんバイオリンも持ってきてる。

山の中にあるせいか、家よりもずっと涼しくて過ごしやすいから、
クーラーがなくても快適で、ついつい居座ってしまう。

飛白と裏子は日光が苦手じゃない。吸血鬼にあるまじきことだとは思うけど、
日中でも相手をしてもらえるっていうのは、すごくうれしい。

午前中はバイオリンのお稽古。いま練習してるのはエルガーの”愛の挨拶”
バイオリン教室でも練習してたから、暗譜は完璧…なんだけど、
でも、飛白の前で弾くのは、ちょっと照れくさいのだ。題名が、ね。

「そこ、どうしてそういう弾き方を選んだんだい?」
「えっとね、礼儀正しさを出すところかなって思ったんだけど」
「それだと、硬すぎて次のフレーズの感じにうまくつながらないかな?」

当の飛白は気にも止めてないように、いろいろ教えてくれる。
確かに言われたところは、エルガーが恋人に挨拶をする感じのほうがいい。

だも、どうしても照れが先に来るというか、恥ずかしくて、
イギリス紳士がするような挨拶するスマートさは、なかなか表現できないんだよね。
つい学校の先生に挨拶してるみたいになってしまう‥‥

「セリフだとどういう感じになるのか考えてごらん」
「う〜ん‥‥‥飛白ならどんな挨拶するの?」
「そうだね、僕なら”こんにちはお嬢さん、ご機嫌いかがですか?”そんな感じだね」

私ならなんて挨拶するかな? ”こんにちは”?この曲だと”おはよう”のほうがいいかな?
うん、”おはよう”だよね。 せっかく声をかけたんだからもう少しお話したいな。

えーっと、身近な方がイメージしやすいかな? ちょっと考え込む。
毎日するような、些細で楽しみなやり取り‥‥‥そうだ、あれがあるじゃない!

「何か思いついたのかい?」
「正しいかどうかわかんないけど、一応ね。聴いてみてくれる?」

バイオリンと弓を構え直して、深呼吸一つ。弓を滑らせて音で挨拶する。
そしてそこから楽しい時間に旋律が変わってゆく。
しばしの楽しい時間の後、別れの時間がやってきて、最後に挨拶を交わして終わる。

弾き終えて弓を下ろし、飛白を見る。うん、自分でも良くなったと思う。

「急にすごく良くなったけど、どんな挨拶にしたんだい?」
「ふふっ、ナイショだよ」
「それじゃ、細かいテクニックを練習していこうか」
「はーい」

午前中の練習が終わると、お昼ご飯だ。
飛白との練習は、練習のあとの休憩も楽しみのうちの一つなのだ。

「はい、今日はオムライス」
「わ、いただきまーす!」

飛白のオムライスは特別にお
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