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BloodTeaHOUSE
記念日
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「えっ!夢に見るくらいショックだったのかっ!? ゴ、ゴメンな」

あ、ちょっと罪悪感。でも、こうでも言わないと飛白が責められちゃうよね?
裏子が騒いでるとその声につられてんごーも出てきた。

「おー嬢ちゃん早起きやなー」

んごーはまぁ、変わりようがないよね。いつもどおりだ。

「えっと、途中で寝ちゃったんだよね。泊めてくれてありがとう」

ぺこりと改めてお礼する。

「元はといえば裏子ちゃんたちのイタズラのせいだからね」
「それより家はええんか?」

時間を見ると午前5時45分。7時少し前に人が来る。

「ここって携帯…あ、使えるんだ」

ポケットから取り出して携帯は意外にも電波の線が3本立っていた。
メールで友達の家に泊まってそのまま学校に行くってハウスキーパーのふみさんに連絡を入れる。

「これで大丈夫!っていうか午前中は帰れなくなっちゃった♪」
「そんなんでええんか?」
「サボリかい?悪い子だね。お仕置きが必要…」
「なわけないだろっ!でも‥‥学校はいいのか?」
「うん。普段は真面目だから大丈夫」

授業もちゃんと受けてるし、ノートもちゃんととってるし、提出物もちゃんと出してる。
成績もまあまあ良い方。普段はズル休みもしない、真面目で目立たない生徒だと思う。
今はとにかく朝からいっぱい泣いたし、とりあえず顔を洗いたい。

「裏子、顔洗いたいんだけど、洗面所借りれる?」

タオルを借りて休憩室の横にある洗面所で顔を洗って髪を梳かす。
それだけで随分さっぱりした。
お店に戻ってくると、あったかいおしぼりを渡された。

「朝食ができるまで、乗せて目を温めたほうがいいよ」

乗せてみるとたしかに気持ちいい。じんわり温まる目元にほっとする。
目を閉じてると、飛白の顔が思い浮かんで胸がまたきゅっとなる。
 なんだろ、これ……?
よくわからない自分の気持ちに知恵を絞ってると、

「どうぞ、胡桃のスコーンとダージリンのミルクティー、それとベーコンエッグだよ」

スコーンには杏のジャムとクロテッドクリームが添えられていて、卵はちょうどいい半熟。
紅茶は香りが強めで、朝食によく合う。

このお店に来るようになってから、紅茶に砂糖を入れなくなったのは
こいう絶妙な取り合わせのおかげだと思う。

「うわぁ、クルミってこんなにおいしいものだったんだね」

スコーンの中のクルミはジャムと合わせてもクロテッドクリームと合わせても
負けない自己主張をするのに優しい味がする。

「おしゃべりしながら朝ごはん食べるのも久しぶり。すごく楽しい」

思わずポロっと言ってしまって、あっと口を塞ぐ。

「ん?ここで朝ごはん食べたいなら休みの日に来ればいいだろ?」
「そ
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