捧げます
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白になら……いい。
「ぁの、 なるべく……痕が、目立たない、場所に、して……ね?」
いくら傷の治りが人より早いといっても、目立つところはなんというか……恥ずかしいかも。
やだ、なんでこんなに緊張して……
「なんだよー飛白になんかやるなよー」
「嬢ちゃんがええんやったらしゃーないなー」
裏子とんごーが何か言ってるけど、緊張しすぎてよくわかんない。
うつむきそうになるのを我慢してじっとしてると、髪を払われて肩に手を置かれる。
首、だよね ぎこちなく首を傾ける。
飛白の顔が近づいてきて、首に息がかかるとゾクッと肌が粟立つ。
首筋の濡れた感触に心臓が早鐘を打つ。
「っ…………」
「ふぁ………」
突き立てられた犬歯が熱くて変な吐息が漏れて、慌てて口を閉じる。
痛い…のに、嫌じゃ、ない………。膝の上に置いてる手にぎゅっと力を入れる。
力を入れないと飛白にしがみついてしまいそうだから。
「っっ………………」
「んっ…………」
飛白の喉が鳴るたびに、甘ったるい息が鼻から抜ける。肩に置かれた手が熱い。
首にかかる息も熱い。それがゾクゾクする。
どのくらい飲まれたのか分からないけど、ゆっくり口が離れ、
まだ塞がってない傷口を舌で舐め上げられて思わず変な声が出てしまう。
「んぁ……あ…」
飛白の熱い息を感じるごとに、私の息も熱くなる。
「素晴らしい血だ………君の血が…僕を支配する………」
首に舌を這わせながら囁く声が耳朶を打って甘い毒のように思考を乱す。
「香澄…君を僕の……そう、僕のものにしたい……君こそが…僕の…快感だ」
血を一滴たりとも無駄にしたくないとばかりにいくつも首にキスをされ、
熱に浮かされたような甘い言葉。この人が求めてるのは「血」だけなんだから。
「君を…僕が支配し……僕が君を…支配する…」
正面から見つめられて、目が逸らせない。そっと手が伸びてきて頬を撫でる。
あ、やだ、ほっぺ触っちゃだめぇ…っ
「………………ゃ」
精一杯がんばって小っちゃい声をあげる
「「飛白!?」」
裏子とんごーの声に、飛白はハッとして、
「すまない。君の血に酔ってとんだうわごとを……
ああ別に全てが虚言だというわけじゃないんだ。君を求める気持ちは……」
え? 今、私を?聞きまちがい?早口で話すから聞き逃してしまった。
「ああ、いや………なんでもない。
君は…まったく、恐ろしい子だよ。吸血鬼の僕を誘惑できるなんて、ね」
ちょっとバツが悪そうに飛白はそう言った。
私の血に誘惑されて口走っただけなのかな?そんなに私の血は特別な血なのかな?
あぁ、血が減ったせいかな、頭がうまく働かない。
吐く息も熱くて心臓もう
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