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BloodTeaHOUSE
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るの?」

頑丈な体にも限界があるんじゃないかと、さらに不思議になる。

「普通の食べもんで、栄養は十分にまかなえるんや」
「人間のごはんとかおかずとかってこと?」

鬼が人間と同じ物を食べるっていうのは、かなり変な気がする。

「そうや。ワイが人間食べるんやめるっちゅうのは、人間で言うならタバコやめるのとおんなじ感覚ちゃうかな?
 もう人間なんか食べんでも、全然気にならんちゅうわけや」

「どのくらい人間食べてないの?」
「どのくらいになるかなぁ。まあ、少なくとも日本に来てからは誰も食べてないで」

前に百年くらい前に日本に来たって言ってたから、少なくとも百年は食べてないんだ。

「じゃあ、血はいらないの?」
「嬢ちゃんかって、牛とか豚は食べるけど、血は飲まへんやろ。」
「そう言われてみればそうだね」

なんだか変な話たけど、納得してしまった。

「じゃあさ、飛白や裏子は、輸血用の血液パックじゃダメなの?」

今のところ、2人にとって一人だけの身近な人間としては、とても気になるところだ。

「それは愚問だよ、香澄ちゃん」

飛白の態度は、愚問、つまり愚かな問いだと言わんばかりの態度だ。

「僕たち吸血鬼に必要なのは、ヴァンピリズム。
 つまり人間の生き血にしか含まれないものなんだ」
「だから、輸血用の血液パックを飲んでも意味ないんだ、香澄」

裏子も一緒に説明してくれる。

「んー…つまり、直接人間から取らないとダメってこと?」
「まあ、そうなるね」
「それってすごーく不便じゃない?」

いきなり血をくださいってお願いしたって、普通は断られるはずなんだもん。
平和的に食事ができないってのは、なんか不便そうだ。

「ストリートファイトで戦ってアタシに負けたやつから吸ってるよ!」

それはまた、普段の言動とぴったり一致だね。

「この僕の魅力があれば、断られることはまずないさ。お礼に天国も見せてあげてるしね」

飛白はナンパして血を得てるのか……らしいといえばらしいけど。
とりあえず、わたしが提供しなくてもエネルギー的には大丈夫だと分かって安心した。
特に裏子はまだ注文したことないしね。
結構このお店は気に入ってるから、突然誰かが活動停止しちゃったらさみしいもんね。

「で?そんな話題を出すってことはそろそろ僕に血をくれる気になってくれたってこと?」

蠱惑的な微笑みを浮かべて、わたしの目を覗き込んでくる。
あぁ、なんか飛白のナンパが成功する理由が私にもわかる気がしてきた……

「きょ、今日までの分なら、別に、い、いよ……」

カウントされてるかは分からないけどバイオリンも教えてくれてるし、
いつも美味しいもの出してくれるから、うん、飛
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