暁 〜小説投稿サイト〜
BloodTeaHOUSE
んごーのいない日
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ジンジュースを飲んでる美耳にきいてみた。

「えっとね、お散歩してたらダミアン様に声かけられて、
 焼きトウモロコシおごってもらって、お嫁さんになる約束したのっ」
「えーっと…よくわかんないんだけど、現在婚約中ってことなの?」

焼きトウモロコシで結婚の約束………
お菓子あげるよ〜って言われて釣られちゃって、誘拐されちゃう子どもの話みたいだね。

「美耳はまだ9歳やからな、光源氏計画中やねん」
「えっ!わたしより年下!?」

どう見ても、わたしより見た目はずっと大人っぽい。
けど、そう言われてみれば、やっぱりお姉さんって感じはしないな。

「俺が魔法で、ちょっと見た目だけ成長させたんや。
 こんな時間に、子供連れ歩いたら、あやしいヤツにしか見えへんしな。
 ホンマの姿はほれ、こんなんや」

ぽんっと急に美耳が小さくなった。私よりずっと小さい。
ぷにぷにのほっぺにエプロンドレス、耳とお揃いの色の手袋と靴。
ダミアン様と並んだらホントに不思議の国のアリスみたい。

「わー小さくて可愛い〜っ!」

思わずギュッと抱っこしたら「せっかく大きくなったのに!もどして〜!」
とジタバタされてしまって、あっという間に元のお姉さんの姿に戻ってしまった。

「なるほどーこれが魔法かーって、魔法っ!? ダミアン様は魔法使いなの?」

当たり前みたいに魔法って言葉が出てきて、びっくりして思わず身を乗り出した。

「俺は魔族やから魔力使うけど、飛白かて力の強いヴァンパイアやし魔力持ってるやん」

へー。ダミアン様ってうさ耳なのに魔族なんだー。…そういう種族なのかな?
ヴァンパイアもコウモリになったりするって物語で読んだことがあったかも。

「飛白も魔法、使えるの?」
「魔法というほど万能じゃないけど、空を飛んだり、霧になったり、
 狼や蝙蝠に姿を変えるくらいならできるよ」

蝙蝠かぁ・・・飛白って背が高いから小っちゃい蝙蝠は想像しにくいなー。
あ、でも狼なら想像しやすい。うん、毛並みとかよさそう。
寒いとこにいる白い狼とかだったら綺麗だろうな〜。

「巨大化とか合体はできないの?」

ぶっ! …他意はないんだろうけど耳美の言葉に思わず吹き出す。
中学生にそういう意味深な言葉は禁句ですよっ!

「当然できるよ」

9歳の子どもに何言ってるのよ…飛白

「ホント!? 見せて見せて〜!」

イヤイヤイヤイヤ!! 何言ってるのっ!耳美ちゃん?
見ちゃいけないよ!?ダメだよーっ!!

「耳美はまだちっこいから早いな。もうちょい大きなったらな」

…ダミアン様まで……こういうノリが普通なの?

「香澄の前で変な話するなぁ!!」

あ、裏子は通常運転だね。うん、ツッコミ
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