好き嫌い
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くおいしい。
「おいしい…」
ほっぺを緩めて、ほうっとため息とともに静かにそう言った。
大騒ぎしたあとだからか、なんだかホッとするような味だ。
「それは良かった。落ち着くように少しだけジャムにウォッカを振ったけど、大丈夫?」
「うん。お酒の香りとジャムの味と紅茶が混ざってすごくおいしいよ!」
今後はにっこり笑ってそう言う。そしてもう一口。
うん、なんだか元気が出てきたみたい。
「お、ようやく笑ったな。嬢ちゃんはやっぱり笑ってるんがええわ」
「そうだぞ、ヘビくらいで泣いてちゃゲテモノは料理できないからな!」
「香澄ちゃんはそんな料理しないよ。なんにせよ、元気が出てよかったよ」
「うん、ありがと。おいしいものって元気が出るね」
ゲテモノ料理はしないから、苦手でもいいんだもん!
両生類も魚類も平気なんだよね。爬虫類でもトカゲとかイグアナとかは平気なのにな。
「みんなは苦手なものってある?」
「苦手なもの?」
「嫌いなものとかでもいいよ?」
醜態を見せてしまった私としては聞いておきたいのだ。
主に、からかわれた時のために、だけど。
「ワイの苦手なんは水やなぁ」
「オーナー、泳げないんだよね」
「そやねん。だから海にもプールにも遊びに行けへんねん……」
‥‥その前にその見た目で人前に出ることのほうが問題があると思うよ?
ああでも、プールに浮いてたらオモチャと間違えそうだよね。
「アタシはカズノコとかレバーが苦手だなー」
「えぇっ!?ゲテモノ好きなのに!?」
「なんかあの食感がやだ」
意外だ‥‥裏子は食べ物の好き嫌いなんかないと思ってたのに。
「飛白は?」
「チョコレート」
「お菓子の?」
「そう、あの匂いがどうも苦手なんだよ」
「小さい上にピンポイントな弱点だよなー」
そういえばチョコって溶かすと甘い匂いがするけど、あれが苦手?
お菓子とかケーキ作るのすごく上手そうなのに。
「そういえば日光とかは大丈夫なの?」
魔物の弱点って言えば日光だよね?
「全然平気だぞ?」
「僕も平気だね」
日中出歩ける吸血鬼’S・・・なんだかお話に出てくるのとは随分違うんだね。
あれかな、ニンニクとか流れる水とかも平気なのかな?
「嬢ちゃんはもうないんか?」
「私?」
「嫌いな食べ物があるなら参考にするよ」
そういうことなら言ってもいいかな。ちょっと変わってるって言われるんだけど。
私の苦手な食べ物‥‥
「コンニャク。食べられないってわけじゃないけど」
「しらたきもダメなのか?」
「糸コンニャクとかしらたきとかは全然平気。あの黒い粒つぶが入ってるのが苦手なの」
「またピンポイントだなー。じゃあ、おでんのは」
「
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