三話:お嬢様と日常
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ああ、それはもう。俺の弁当のおかずを食いつくす位には」
「そう、それは良かったわ」
「なあ……なんで私が目の前におるのにリヒターに聞くん?」
「そう言われても、放っておくとあなたはジャンクフードしか食べないんですもの」
娘の食生活を気にする様はどこからどうみても母親だ。
ジークもジークで頭を撫でられて少し嬉しそうにするな。
そんなのだからヴィクターの母性本能をくすぐるんだ。
普段も戦闘中の半分ぐらいの凛々しさを持て。まあ、そんなジークなんて怖いけどな。
「そないなことないよ。ちゃんと野菜だって食べとる」
「あら、例えば?」
「タ……タンポポ」
「却下ですわ」
バッサリと切り捨てられてガックリと肩を落とすジーク。
だが、俺には当然だとつっこむ前に言いたいことがある。
「タンポポって食えたのか」
「お腹減ったらなんでもいけるもんよ」
「お前よく今まで生きてこれたな」
ひょっとしてジークの生存能力って何気に高いのか?
そう言えば野生児並の生活をしているよな……まあ、主食は俺かヴィクターへのたかりだけど。
「もし、俺とヴィクターがお前に飯を与えなかったらどうなる?」
「飢え死にする」
「分かっているなら少しは働いたらどうだ?」
キリッとした顔で断言するジークに冷たく返してやる。
働いてない身の俺が言うのもなんだけど最低限の食費ぐらい稼げ。
前にも言ったが俺はお前の紐になってやるつもりはないからな。
「仕事なら我が家のメイドなんてどうかしら」
「正気か? それともお前は自宅をビフォーア○ターする気なのか、ヴィクター?」
「ジークのメイド服姿が見られるのなら安いものですわ」
「ダメだ、こいつ……。早く何とかしないと」
今ここで止めないと大変なことになる。主にエドガーの胃が。
それと、家を粉砕されるのはごめんだがジークのメイド服姿は見たい。
今度、ヴィクターと一緒に着させてみよう。
「なんか、私ここに来てからずっと馬鹿にされとる気がする……」
「事実だから仕方ないだろ」
「ですわ」
「ですね」
その後、無茶苦茶すねたジークだったが今度好きな物を買ってやると言ったらすぐに機嫌を直した。
こいつ……チョロい。
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