二話:不良との日常
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ミッドチルダ南部、エルセア第9地区にある市立学校に俺は通っている。
この学校には結構な人数が通っていて正直同級生でも覚えていないのが結構いるのは内緒だ。
だが、そんな俺でもある程度覚えている人間はいる。
例えば、今目の前に居る赤い眼と燃えるような赤髪をポニーテールにした奴等がその筆頭だ。
未だに眠気が飛ばないが取りあえず挨拶はする。
「おっす、ハリー。それと不良ズ」
「おう、リヒター。相変わらずお前は眠そうな顔してんな」
「朝なんてこの世から消えてしまえばいいと思わないか?」
「毎朝、物騒なことばっか言ってんな、お前……」
砲撃番長ことハリー・トライベッカには言われたくはない。
そもそも朝なんていらない。
昼と夜だけでいいはずだ。あれ? そうなると昼が朝になってしまうのか。
……いっそ夜だけでいいかもな。
「そういうお前はいつも朝から元気だな」
「おうよ! 朝は一日の始まりだからな。シャキッとしねーとしまらねえだろ?」
「まあ、リーダーは偶に寝坊しますけど大体はリーダーの言う通りッス! 朝は一日の基本だぜ、リヒター」
「なあ、不良ってなんだっけ? こんな爽やかな連中の事を指すんだっけ。もしかして俺の辞書が間違ってる?」
ハリーの言葉に流石リーダーとばかりにサングラスことルカが頷く。
最近の不良というものはどうやら朝はしっかりと起きるらしい。
というか、不良に生活習慣を注意される俺って……まあ、別にいいか。
俺がだらけているのが悪いんじゃない。毎日朝が来るのが悪いんだ。
「そんなんだから、お前は何も考えていないって言われんだよ」
「失礼な。俺だって常に頭を働かせているぞ。今だって考えている」
「例えば、何だよ?」
「次元世界に永遠の夜をもたらす方法」
「どこの魔王だよ、お前は」
ハリーに軽く、頭を叩かれてしまう。解せない。
俺だって真剣に考えた末にこの考えに至ったというのに。まあ、至ったのは一分前だけど。
それにしても、こいつらは本当に不良なのか?
不良なら俺の野望に「それは俺の仕事だ」位の返事はして欲しい。
第一に前から思っていたがこいつらは本当に不良なのか。ちょっとばかし試してみよう。
「もし、重い物を運んでいるおばあちゃんを見かけたら?」
「荷物を持ってあげるっス」
黒髪ロングで学年でも成績上位者のミアが即答する。
前から思ってたけどなんでこんな奴がハリーをリーダーって呼んでるんだ?
ハリーよりも余程リーダーシップありそうなんだけど。
「道で迷子になっている子供を見かけたら?」
「お母さんを一緒に探すに決まってんだろ?」
さも当然とばかりに喉も悪くないのにいつもマスクを着けてい
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