二話:不良との日常
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ッドホークによって絡めとられてしまう俺。
これは俗に言う絶体絶命という状況なのではないか。
そんなことを考えながら俺は冷たい床と固い抱擁を交わす。まあ、転げているだけだがな。
「くそっ、なんて卑劣な技をっ!」
「十秒前のお前の行動を思い出しながらもう一度言ってみやがれ」
「俺は過去を振り返らない男なんだ」
「決め顔で言ってんじゃねえよ。ただの無責任じゃねえか」
そうとも言う。
でも、悲しいけどこれが現代社会のありさまなのよね。
まあ、現状においては何にも関係ないけど。
「おい、今謝ったら許してやるぜ」
「許して、ヒヤシンス」
「よし、全力でブッ潰す!」
「世界はいつだってこんなはずじゃなかったことばかりだ」
俺の必死の謝罪のかいもなくハリーから俺の死刑宣告が下される。
思わず、この前読んだ管理局員名言集の一節が出てくる。
因みに一番のお気に入りは『少し……頭冷やそうか』だ。
何はともあれ、こうなった以上はすごく良い笑顔で近づいて来るハリーをなだめるには切り札を切るしかない。
使いたくはなかったが仕方ない。行くぞ、これが俺の―――切り札だ!
「ジークのテヘペロ写真が見たくはないか?」
「マジか? 見せろよ!」
すまない、ジーク。お前には尊い犠牲になってもらうぞ。
その後、五人でジークの恥ずかしい写真を仲良く見たのだった。
流石はジーク、次元世界最強の十代女子の名前は伊達じゃなかった。
「ハクシュン! なんや? 誰か私の噂でもしよるんかな?」
その頃、ランニングをしているジークが大きなくしゃみをしていたのはきっと俺のせいじゃない。
でも、今度あったらおにぎりに雑草を入れるのは止めてやろうと思う。
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