13.頼むだけなら誰でも出来る
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この店から叩きだされるのだが、リングアベルのみはミア直々に「礼節を弁えた口説き」として入店が許可されていたりする。恐るべし、リングアベル。
「ちょっと、貴方はどっち狙いなのよ!」
「わ、私はベル君の方が好み、かなぁ?」
「ならそのままベル君の方狙いなさい!私はリングアベル一くん筋だから!」
「ちょっと、抜け駆けはズルイんじゃない!?」
「あなた達……人の恋時にどうこう口を出す気はありませんが、まずは仕事しなさい!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
従業員が一人、リューさんの一喝でかしまし娘達は散り散りになっていった。
「うちの娘たちも随分お前さんたちを気に入ったもんだ。あれでもそれなりには男慣れしてるんだけどねぇ……」
「フッ……溢れ出る俺の魅力を抑えきれなかったか。それにしても、やはりベルにもその方面の才能があるな」
女たらしの才能、とは口に出さない。何故ならリングアベルにとって女性を口説くとは、女性への敬意なくして成り立たないものだからである。料理の乗った皿を抱えたミアが呆れたようにリングアベルに声をかける。
「ロクでもない才能を発掘してる暇があったら剣の腕でも磨きな、坊や!それと、ホレ料理だよ坊主!」
「あ、ありがとうございます!」
「ははは!手厳しいな、ミス・ミア!」
坊やがリングアベルで坊主がベルである。従業員曰く、坊やの方が格上らしい。
その判断基準は従業員の間でもはあが楽不明のままであるが、それはさておき。
「二人とも今日はどこまで潜ったのですか?」
「あ、シル姉さん!今日は6層まで行きましたよ。おかげで今晩はちょっとだけ奮発できそうです!」
「それでいいニャ!どんどん金を落としていくニャ!!」
「こらこら、悪徳店舗みたいなことを言うな!」
「あはははっ!」
この賑わいがベルたちは好きだった。ヘスティアの待つ教会も家庭的だが、ここの酒場はそれとは別に人間的な暖かさとエネルギーに溢れている。冗談交じりに女の子を口説いて軽くいなされるリングアベルのコミカルな姿。
優しく諭したり一緒に喜んだりしてくれるシル。何かといいたい放題言っては叱られるアーニャと、それを叱っている側のリュー。……たまにお尻を触ってくるクロエ。
……ま、まぁ最後の人にちょっと問題はあるが、概ねみんないい人である。
「やれやれ。二人とも見た目はナヨナヨしいのに冒険心だけは一端かい?」
「………強くなるって決めたので。強くなることは結果的に生き残る確率を上げますから」
「俺にもベルにも背負う物くらいあるからな。我がファミリアの経済基盤確保のために、行けるところまでは当然行くさ」
「やれやれ………余計なお世話かもしれないが、言っておくよ坊主ども」
ミアの目が真剣身を帯び、2
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